【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
「早く見せないと氷が溶けるぞ」

「……!?」


カトリーナはハンカチを取り出して、その上に兎を乗せ直すと、二人の様子を見ていたことを誤魔化すように廊下の掃除をしているゴーンに氷でできた兎を見せに向かった。

心配で二人の様子を見ていたニナがひょっこりと顔を出してクラレンスに話しかける。


「はじめてではないですか?クラレンス殿下がこんなにも心を許すのは」

「ニナ……」

「あ、もちろんわたしは賛成ですよ?カトリーナ様はとても可愛らしいですし、素直でいい方です。捻くれ者のクレランス殿下にはピッタリですね」

「…………」

「こうして少しずつ心を許してくださる姿を見ていると、わたしは涙が出そうになります。それと同時にカトリーナ様を苦しめた人達が許せません」

「……あぁ」


ニナの姿を見つけたカトリーナが「ニナさん!」と声を上げる。
側に駆け寄って氷でできた兎を嬉しそうに見せると、ニナがカトリーナをそっと抱きしめる。
混乱するカトリーナが助ける求めるようにクラレンスに視線を送る。
クラレンスは氷が溶けないように魔法をかけ直した。


「ありがとうございます」

「別に。大したことではない」

「ふふっ、可愛い」
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