好き勝手されるのは癪なので、貴様らは絶対に許しません ~という令嬢の報復~

第6話

 不審者のおっさんを撃退してから数日後。
 結局、私は討伐作戦に参加することになってしまった。

 当日の朝、呼んでもいないのに勝手に魔導院所属の魔導士達が押し掛けてきて半ば強引に連れ去られたからだ。
 このままでは営業妨害になってしまいかねないから従いはしたが……、とりあえず押し掛けてきた不躾な連中にはたっぷりと仕返して少しは気を落ち着かせることはできた。
 それでも不満を崩すことはできない。

 当たり前じゃないか、ふざけんな!
 こちとらウエイトレス姿だぞ? 場違いでしょこんなん。

「ああもう、イライラするなぁ。とっとと蹴散らして仕事に戻りたいわぁ」

 大体何なんのよあのおっさん! 勝手に縁切っておいて無茶苦茶でしょうが!

 ここは、城下町からほど近い場所にある丘陵。
 毎年のルートとしてここを魔物達が通る事になっている。
 長年のデータからそれは間違いないらしく、どういう訳かこのルート以外を通った試しはないのだそうだ。

 大量に来るといっても下級の魔物の群れだし、ルート場に罠も仕掛けてあるから、正直言って大した仕事じゃない。
 ただ、魔導院からしたら大量に魔物の素材が手に入る上、ピープル達に税金泥棒などと呼ばれないように派手な働きをしてアピール出来るチャンスでもある。

 あ、あと新人歓迎会も兼ねてあるんだったっけか?
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