【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
その隣には白銀のフサフサとした毛が気持ちよさそうな大きな大きな狼が伏せて眠っていたが、ムクリと起き上がった狼は何故かフランチェスカを睨みつけるように視線を送っている。

(私の後ろに何かいるのかしら?)

フランチェスカが背後を見ても壁しかない。
すると白銀の狼が立ち上がって会場へと降り立つのと同時に辺りが静まり返る。
自然と道が開けていき、大きな狼がこちらに歩いてくるのを目を輝かせながら見ていた。
毛がふんわりと動いたのを見てフランチェスカはその毛並みをうっとりしていた。

(うわぁ……!フワフワしていて気持ちよさそう)

そんなことを思っていると大きな狼はどんどんとこちらに近づいてくる。
そして後ろにいた王子様のような少年も狼を追うようについてくる。
そして目の前で足を止めた自分の体の何倍もある狼を見上げながら、フランチェスカは触りたい衝動を抑えながら戸惑っていた。
父はフランチェスカの横で腰を抜かしてへたり込むようにして床に座っている。


「グレイシャー、どうかしたか?」


どうやら白銀の狼の名前はグレイシャーと言うらしい。そして美しい少年の宝石のようなスカイブルーの瞳と目が合った。そしてグレイシャーはフランチェスカに触れと言わんばかりに顔を近づけたり匂いを嗅いだりしている。
フランチェスカはゆっくりと手を伸ばして白銀の毛に触れた。思ったよりもサラサラした毛に「うわぁ…!」と感動して声を漏らしながら触っていた。あまりの気持ちよさに顔を擦り寄せて、グレイシャーの毛並みを堪能していた。
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