【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
「あ、ありがとうございます……!」

「どうやらグレイシャーはフランチェスカが気に入ったみたいだね」

「は、はい」


周囲はレオナルドの言葉に騒ついている。
「何あの子……」「はしたないわ、信じられない」「イグナシオ殿下に近づかないで」
そんな声が耳に届いたフランチェスカは居心地の悪さに顔を伏せた。レオナルドとグレイシャーが周囲を牽制するように睨みつけていることも知らずに、フランチェスカは羞恥心に苛まれながらドレスを掴んでいた。


「フランチェスカ、契約の儀はまだか?」

「は、はい! でもそろそろ名前を呼ばれると……」

「──フランチェスカ・エディマーレ」


タイミングよく名前を呼ばれたフランチェスカは「はい!」と返事をした。
そのまま壇上へと歩いていくが周囲の視線が痛い。
令嬢達からはフランチェスカを罵る声ばかりが聞こえてくる。
しかしフランチェスカは気にすることなく、レオナルドと話せて王家に使える神獣グレイシャーに触れられたことを母と弟のマラキに話すのが楽しみだと思いつつも案内されるがまま指定の位置に立つ。

いつの間にかレオナルドとグレイシャーも元の位置に戻ってこちらを興味深そうに見ていた。
しかし魔法陣が光り輝いて、その真ん中にまん丸な毛玉があった。
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