【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
溢れ出しそうな何かが抑えられて元に戻っていくような感覚にキャシディの瞳から涙が溢れた。
レオナルドの手を取り、父の元へと戻った。
父はキャシディを抱きしめて「気にする必要はない」と励ますように言った。
レオナルドと握っていた手を離して馬車に乗り込む。
オルランド公爵邸について兄や母に報告したものの、明らかな落胆と焦り、軽蔑の色が見えた。
口から出る言葉と、表情があっていないことにキャシディは怒りを感じていた。

(…………嘘つき)

大丈夫だといいながら白蛇を見る目は冷たい。
だがレオナルドだけは違った。
レオナルドは優しい目でキャシディを見てくれた。
軽蔑することなく、嘘をついていない。

キャシディはその日からレオナルドと結婚することに執着するようになった。
父に「レオナルド殿下と結婚したい」というとわかりやすいほどに喜んでいた。
今までキャシディは父からレオナルドの婚約者を勧められていても首を縦に振ることはなかった。
けれど今はレオナルドを自分のものにしたくてたまらない。

(わたくしはレオナルド殿下が欲しい……!)

激しい破壊衝動は知らないうちに恋心へと変わっていた。
白蛇は不満そうだったが、キャシディの欲しいものは変わらない。
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