【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
「わたくしのマレーも最近、調子が悪いのよ。レオナルド殿下に訴えているのだけれど聞いてもらえないの。きっとあの悪女がレオナルド殿下を洗脳しているよ!」

「……わたくし、許せませんわ!お父様に言ってフランチェスカ様をここから追い出すように言わないと!」

「私も協力するわ!このままだと国がおかしくなるわ」


フランチェスカは水を汲むことも忘れて口元を押さえて部屋に戻った。キャシディがフランチェスカを貶めていたのだと気づいてしまったからだ。
悪女だという噂は嘘だと否定しても誰も信じてはくれないのも、悪い噂が流れるのも、全てキャシディが仕組んだことだとしたら……。

(……裏切られたの?)

そう思うと不思議と辻褄が合うような気がした。
フランチェスカの心は波に飲み込まれるように悲しみに沈んでいく。
皆がフランチェスカの敵に思えた。
誰が味方か敵かもわからない。フランチェスカはシュネーを抱きしめながら涙を流していた。
どのくらい時間が経っただろうか。


「もう……嫌」


そう言った瞬間、ゾワリと鳥肌が立った。
シュネーのクリーム色の毛が真っ暗に染まっていることに気づいてフランチェスカは急いで立ち上がった。
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