【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
椅子がガタリと大きな音を立てて倒れたことも気にならない。
背が壁にぶつかって、真っ黒な煙がフランチェスカの視界を覆い尽くした。
シュネーが別の生き物になってしまった。それだけは理解できた。

そんなタイミングでキャシディが部屋にやってきて、会場へと引き摺り出された。
シュネーを守ろうとしただったがフランチェスカは帰還したレオナルドの剣によって命を落としてしまう。
チカチカと白銀の光だけが、フランチェスカの脳裏に焼きついていた。


* * *


フランチェスカが回想を終えて瞼を開くと、瞳からはとめどなく涙が溢れていた。

(なんでこんなことに……!あの黒い煙の正体は一体何?何故、みんなには見えていなかったの?)

時折、フランチェスカの目に映る黒い煙が聖獣にまとわりつくと、ぐったりとしてしまう。
それにレオナルドも黒いのに包まれた瞬間に別人になってしまった。

(シュネーと私がレオナルド殿下を洗脳したの?ううん、違う。レオナルド殿下は確かに私とシュネーを守ろうとしてくれていたわ)

キャシディが洗脳を解くと言ってレオナルドに触れた瞬間、瞳が赤くなってグレイシャーを閉じ込めるように言ったのだ。
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