【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
力なく倒れ込んだグレイシャーは瞼を閉じてしまった。
(……どうしてこんなことに!)
グレイシャーの姿を見て次第に病に蝕まれていくシュネーの姿と重なってしまう。
フランチェスカが思っていたよりも、グレイシャーの具合はずっと悪いようだ。
「シュネー!すぐにグレイシャーを治療しましょう!」
元気よく飛び跳ねたシュネーはグレイシャーの白銀の毛に埋もれるようにして体を寄せた。
その上からフランチェスカは手を這わす。
温かい力をが流れ込んでくるのと同時に、フランチェスカも力をこめる。
次第に金色の光が漏れていき、グレイシャーを包み込んだ。暫く経つとずっと目を閉じていた。
「グレイシャー、気分はどう?」
『グゥー……』
「そう、まだ体が痛いのね。大丈夫よ、私達が必ずあなたを治すから」
『ワンッ!』
いつもならばどんな怪我も病も楽になる頃合いではあるが、グレイシャーは少し動けるようになっただけで回復はしていない。
フランチェスカが婚約者だった時は、グレイシャーがこんな風に体調を崩したことはなかった。
手のひらからグレイシャーの中の不安や悲しみがフランチェスカにも伝わってくるような気がした。
「グレイシャー、大丈夫よ」
グレイシャーを安心させるようにフランチェスカは声を掛けていた。
そして力を込め続けてフランチェスカは汗だくになっていた。