【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます

力を全て注ぎ込んでもまだまだ足りないのだ。
それはグレイシャーが神獣だからかもしれないが、体を蔓延る黒いものを少しずつ除去していくようなイメージでゆっくりと位置をずらしていく。


「はぁ……はぁっ」


しかし治りきる前にフランチェスカのマナが尽きてしまう。シュネーも力を使いすぎたせいか、いつもの元気はなくなりぐったりとしていた。

(どうしましょう……まだまだグレイシャーがよくなるためにはマナが足りないわ)

体の中が空っぽになってしまったような感覚にフランチェスカはペタリとその場に座り込む。
グレイシャーは体を起こして、フランチェスカの頬を撫でた後にシュネーを鼻で突いている。

「グレイシャー、ごめんなさい……あと何回かにわけないと無理みたい。でも絶対にあなたを治すからね」


フランチェスカの言葉に答えるようにグレイシャーは喉を鳴らした。
そしてもう十分だと言いたげにシュネーとフランチェスカを包み込むようにして丸まった。
白銀の毛に全身を包まれたフランチェスカはあまりの気持ちよさに体から力が抜けていく。
そして今まで感じたことのない重たい疲労感がフランチェスカを襲う。


「ねぇ、グレイシャー。ここで、少し休んでもいい? ごめ……ん、ね」


フランチェスカは言葉の途中で意識を失うようにして眠りについた。シュネーもフランチェスカに寄り添うように目を閉じた。
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