【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
キャシディはマレーと契約した十歳頃から少しだけ雰囲気が変わってしまったように思う。
オルランド公爵家は代々、肉食獣の聖獣を契約していることを誇りに思っている。
オルランド公爵家に生まれた令嬢として自分だけが小さな蛇と契約してしまったことに傷ついているのかと思い、ずっと彼女を気遣っていた。

それが原因なのか定かではないが、キャシディはレオナルドに近づこうとする令嬢がいるとすぐに圧力を掛けて潰そうとする。
レオナルドがすぐにそのことに気づいてキャシディに注意したことで少しは大人しくなったが、仲間の令嬢達と共に好き放題しているようだ。
レオナルドはそんなキャシディのやり方が好きではなかった。
笑顔は何かを含んでいるかのように歪んでいる。
レオナルドはキャシディを危険視するようになっていった。
舞踏会の数日前、城でキャシディに呼び止められた時だった。


「待っててくださいね。レオナルド殿下。必ずわたくしが、殿下の婚約者になってみせるわ」

「キャシディ……?」

「わたくしがグレイシャー様に気に入られすればいいの。それがもうすぐ叶う。全てが丸く収まるのだから」

「キャシディ、何を言っているんだ。これ以上、グレイシャーに負担をかけたくないんだ」

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