【書籍1巻発売&コミカライズ進行中】悪女の汚名返上いたします!
「……せい、だからな」

「え?」

「こんなことになったのは、全部お前のせいだからな! お前が『聖女の派遣を止めて、ベアトリスを差し出すよう圧力をかけましょう』なんて言うから」

「まっ、待ってください……! わたしは、ブレア伯爵家がベアトリスを匿っているかも……と、言っただけです……」
 
 ベアトリスを捕まえるついでに、気に食わない貴族連中に対して制裁を加えてやろう、などと言い出したのはフェルナンだ。
 
 心の中では『はぁ? 責任を押しつけんなよ』と悪態を吐きながら、セレーナはさめざめと泣く。

 いつもはセレーナの涙に弱いフェルナンだが、母親に叱られたのが相当堪えたのか「チッ」と忌々しげに舌打ちした。
 
「そうやって、いつも泣いて済ませようとする。セレーナ、君を見ているとイライラするよ」
 
 フェルナンは片手で頭を掻きむしり、盛大な溜息をついて去っていった。

 誰もいない空間にひとりっきり。
 セレーナは涙を拭い、冷静に考えを巡らせた。
 
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