【書籍1巻発売&コミカライズ進行中】悪女の汚名返上いたします!
「殿下のご命令どおり、ベアトリス・バレリーを連れて参りました」

「よくやった。貴様はアトリスの味方をしていると思っていたが、まあいい。此度(こたび)の働き、褒めてつかわすぞ」

 一段高い場所からフェルナンが横柄に告げる。
 
 王子と騎士が言葉を交わす中、セレーナはうつむくベアトリスを横目で見ながら、内心あざ笑っていた。

 二度も断罪され、しかも一番信用していたユーリスに裏切られ連行されるなんて!
 あぁ……なんて馬鹿で哀れな子なのかしら!

 他人の不幸は蜜の味。落ちぶれたベアトリスの様子に愉悦がこみ上げる。
 セレーナは勝ち誇った笑いをこらえるのに必死だった。

 婚約者の悪辣な内面など知るよしもないフェルナンは、右手を挙げて「ベアトリスを拘束しろ!」と命じる。
 
 だがユーリスは命令を実行することなく、いつもどおり冷静に告げた。

「その前にひとつ申し上げてもよろしいでしょうか」
< 196 / 231 >

この作品をシェア

pagetop