【書籍1巻発売&コミカライズ進行中】悪女の汚名返上いたします!
「あたしは……あたしは、悪くない! 悪いのは全部この国だ!!」

 髪を振り乱し喚き散らす彼女には、もう聖女の面影すらない。

「病気だか何だか知らないけど、この国の王はなにやってんのさ! こんなバカ王子に任せて寝ている場合? 王も無能なら王子もとんだ無能だ! ははっ、あたしごときに騙されるなんて、無能だらけでこの国は終わりだね!!」

 不敬極まりない発言の数々に、王妃が「なんと無礼な、お黙り!」と憤慨する。
 だがセレーナの悪態は止まらなかった。

「うるっせぇんだよ、くそババア! 人のこと言う前にテメーの息子をどうにかしろ!」

「なっ、なんてことを……! 衛兵! ただちにこの者を地下牢へ!」

 騎士に無理やり立たされ引きずられながら、セレーナはケタケタと笑い狂っていた。
 女の変わり果てた姿に人々は戸惑い、場は混沌を極めている。

 そんな中、凜とした声が喧噪(けんそう)を切り裂いた。

「王妃様、フェルナン殿下、私からひとつお願いがございます」

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