御曹司は初心な彼女を腕の中に抱きとめたい
高速を使うとあっという間に箱根に到着した。
彼は旅館に車を停めた。まさか、と思ったが、やはりここに止まるようだ。
車を止めるとすぐに人が出てきた。そしてチェックインをする前なのに彼の名前を呼んだ。
「奥山さま、お待ちしておりました。荷物をお預かりいたします」
蒼生さんは後部座席に置かれた荷物を手渡すと、少し出かけてくると伝え車のキーを渡した。
彼は私の手を引くと歩き出した。
いくつもの店が並び、どこも美味しそうな匂いがしていた。
「みちる、久しぶりに食べ歩きをしようか」
「うん!」
彼と街をぶらぶらと手を繋いで歩くだけで楽しい。途中にあった石鹸のお店にも寄った。肌がツルツルになると言われ、美和の分と私の分を買った。蒼生さんに何故か、楽しみだと言われ恥ずかしくなった。
彼の疲れが心配で旅館に早めに戻るが、中に入ってみてとても驚い。
旅館の中はフロントの前に茶室があり、その都度お茶を点ててくれるようだ。いわゆるウェルカムドリンクのようなものらしい。赤い傘の下に長椅子が置かれ、私が座っているとすぐにお茶が運ばれてきた。追いかけるようにきた蒼生さんも隣に座るとお茶が運ばれ、口にしていた。
この場所から中庭の庭園が見える。秋の花である桔梗や竜胆が四阿のそばに咲いていた。
四季を感じさせる庭園に圧倒されるとともに、何故彼がこんなすごい旅館に泊まれるのか不思議だった。一緒にホテルに泊まった時もそうだった。よく考えたら、いくら製薬会社の研究員と言ってもこんな贅沢ができるものなのだろうか。彼は毎回私に払わせてくれない。食事だって全て彼が払ってくれている。彼のことを知ったつもりでいたが、本当は知らないことが多いのではないかと疑問に感じた。少しのきっかけが私の中でだんだんと大きな不安につながっていった。
彼は旅館に車を停めた。まさか、と思ったが、やはりここに止まるようだ。
車を止めるとすぐに人が出てきた。そしてチェックインをする前なのに彼の名前を呼んだ。
「奥山さま、お待ちしておりました。荷物をお預かりいたします」
蒼生さんは後部座席に置かれた荷物を手渡すと、少し出かけてくると伝え車のキーを渡した。
彼は私の手を引くと歩き出した。
いくつもの店が並び、どこも美味しそうな匂いがしていた。
「みちる、久しぶりに食べ歩きをしようか」
「うん!」
彼と街をぶらぶらと手を繋いで歩くだけで楽しい。途中にあった石鹸のお店にも寄った。肌がツルツルになると言われ、美和の分と私の分を買った。蒼生さんに何故か、楽しみだと言われ恥ずかしくなった。
彼の疲れが心配で旅館に早めに戻るが、中に入ってみてとても驚い。
旅館の中はフロントの前に茶室があり、その都度お茶を点ててくれるようだ。いわゆるウェルカムドリンクのようなものらしい。赤い傘の下に長椅子が置かれ、私が座っているとすぐにお茶が運ばれてきた。追いかけるようにきた蒼生さんも隣に座るとお茶が運ばれ、口にしていた。
この場所から中庭の庭園が見える。秋の花である桔梗や竜胆が四阿のそばに咲いていた。
四季を感じさせる庭園に圧倒されるとともに、何故彼がこんなすごい旅館に泊まれるのか不思議だった。一緒にホテルに泊まった時もそうだった。よく考えたら、いくら製薬会社の研究員と言ってもこんな贅沢ができるものなのだろうか。彼は毎回私に払わせてくれない。食事だって全て彼が払ってくれている。彼のことを知ったつもりでいたが、本当は知らないことが多いのではないかと疑問に感じた。少しのきっかけが私の中でだんだんと大きな不安につながっていった。