断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「まず、ふたりきりでは嫌です」
「では話し合いには、このわしが立ち会うとしよう」

 なら少しは安心できるかな。
 健太に頼んでもいいんだけど、山田が暴走したら厄介だよね。立場上、健太じゃ止められないこともあるだろうし。

「次に、シュン様には適切な距離を保っていただきたいです。触れられるのは……今はまだ怖くって」
「無理もない。若気の至りとは言え、王子の所業は行き過ぎた面もあったゆえな。うむ、所定の範囲には近づかぬよう、王子にはしっかりと言い含めておこう」

 リュシアン様、山田の行き過ぎ行為は平常運転ですことよ?
 それはさておき、最後の一個は慎重にお願いしないとなんなくて。

「あともうひとつ……」

 その先を口にするのを、やっぱりためらってしまった。
 下手したら(わきま)えない発言と捉えられてしまうかも。

「無茶を言っているのはこちらの方だ。遠慮せずに言うといい」
「……今後のことを、絶対に無理強いはしないと、そうお約束していただきたいのです」

 いまわたしがしてる抗議なんて、王子の山田ならねじ伏せることも簡単だ。
 立場にものを言わせて求婚されでもしたら、公爵家の人間として断るなんてできっこない。

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