いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!
「急いで来てくれたんだな。ありがとう」
「いえ、そういうわけじゃ……」
(待ちきれなくて飛び出してきたと思われたかな)
裕斗と会うのを楽しみにしていたから間違いではないのだけれど、本人から言われると居たたまれなくなる。
麻衣子はそっと席に座り、畳んだエプロンを隣の椅子に置いた。
そして視線を上げると、相変わらず裕斗に見つめられている。
彼の眼差しは恋人だった頃と変わらず優しくて、鼓動が早くなる。
食事をしている間も、なにかと麻衣子を気遣う様子が伝わってきたが、無理をしてるようには見えない。本当に麻衣子のことを大切にしてくれているのが伝わってきた。
そんなふうにされると、心が喜びにあふれる。
(でも、これから大切な話をするんだから、落ち着かなくちゃ)
そっと深呼吸をしてから、改めて裕斗に目を向ける。
「裕斗さん、今日は私から話したいことがあります」
「この前の返事かな?」
裕斗が纏う空気が、緊張をはらんだものに変化する。
「いえ、子供のことです」
「ああ、先日連れていた子のことだな」
「はい」
麻衣子は緊張が高まるのを感じながら、口を開いた。
「あのとき娘は二歳だと言ったけれど、本当は三歳です」
「え?」
裕斗の顔に動揺が走る。
「あの子はあなたの子供です」
「……っ!」
麻衣子の宣言に、裕斗は大きく目を見開き息をのんだ。