いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!
(裕斗さんを他の人に譲りたくないと思った)

 我儘だとしても、気持ちを止められなくて、彼への思いが溢れていった。

《困ったな。麻衣子に心配をかけたのに、嫉妬して貰えてうれしいと思ってる》
「裕斗さん……」
《ずっと不安だったんだ。子供たちから夏目先生の話を聞いて、麻衣子と子供たちを支えてくれた存在なら感謝しないといけないと分かっているが、嫉妬もした》
「夏目君は……とても感謝している人。幸せになって欲しいと思ってる。でも私が側にいたいと思うのは裕斗さんだから」

 裕斗が息をのむ様子が伝わって来た。やがて彼は少しかすれた声で言う。

《麻衣子……ありがとう》
「私こそ、ありがとう。酷いことをした私をずっと想ってくれていて」
《電話なのが辛いな。今すぐ抱きしめたい》
「私も抱きしめて貰いたい」
《早く会いたいな》

 麻衣子は幸せな気持ちで裕斗の声を聞きながら目を閉じた。




 裕斗は待ちきれないと、翌日にやってきた。

 仕事後、遅い時間に自宅まで車で迎えに来て貰えることになっている。子供を寝かしつけたら、絵麻に頼んで、少しの間出てくるつもりだ。
 久しぶりのおしゃれをして、胸をときめかせながら裕斗の迎えを待つ。

「お姉ちゃん、朝までゆっくりして来ていいよ。子供たちは朝までぐっすりだから、大丈夫だよ」
「でも、それじゃあ絵麻に悪いし」
「そんなの気にしないでいいよ。私は自由に出かけているんだから。でもお姉ちゃんは出産してから一度も遊びに行ったことがなでしょう? ずっと子供の為に生きていた。少しは好きなことをしてもいいんじゃない?」
「絵麻……」
「お姉ちゃんは、いい母親だよ。一度くらい朝帰りしたってそれは変わらない」

 絵麻がはっきりと宣言する。彼女の気持ちがうれしくて、麻衣子は笑顔で頷いた。
< 128 / 134 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop