いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!
麻衣子は元から彼に相応しくなかったのだ。それでも努力して彼に相応しくなりたかったけれど。
(私がいなくなった方が、裕斗さんの為になる)
呼び出し音が鳴るたびに、息苦しさがこみ上げる。
「麻衣子」
呼び出し音が途切れ、受話器の向こうから聞こえてくる優しい声を聴いた瞬間、涙が溢れそうになった。
声を聴いただけで愛しさがこみ上げる。
彼が好きで、好きで仕方がない。今すぐ会いに行って、離れたくないと訴えたい。
けれど、もう決めたのだ。
「昨日から電話が通じなかったから心配していた。大丈夫なのか? もし問題があるのなら……」
「裕斗さん」
気遣いの声を麻衣子は覚悟を決めて遮った。いつになくとがった麻衣子の声に、裕斗は何かを感じとったのか一瞬沈黙が訪れる。
麻衣子は気づかれないように深呼吸をした。
「別れてほしいの」
「え……」
まったく予想していなかった言葉だからだろう。彼は虚を突かれたような声を出す。
「帰国して冷静になったら、やっぱり私には外交官の奥さんは無理だと思うの」
麻衣子は裕斗が何か言うより前にまくし立てるように言った。
「ま、待ってくれ……」
裕斗が初めて聞くような動揺したような声で言う。
「プレッシャーをかけてしまったのなら悪かった。麻衣子に無理をさせるつもりはないんだ。俺はただ君が側に――」
「謝らないで!」
「麻衣子?」
思わず出てしまった大きな声が、裕斗を驚かせてしまったようだ。
けれど彼に謝ってなんて欲しくなかったのだ。
(全部私の勝手なのに)
裕斗は何も悪くない。ただ彼に相応しくなれない麻衣子のせいなのだ。
「お互い自分に相応しい人を見つけた方がいいと思う」
「麻衣子、もしかして何かあったのか?」
「……何もないよ」
「何もないのなら、麻衣子がそんな発言をするわけがない。話してくれないか? 困っていることがあるなら、必ず俺が力になるから」
裕斗の真摯な声を聴いた瞬間、ぐらりと心が揺れた。
(裕斗さんに何もかも打ち明けられたら……でも無理……いえるわけがない)
前途有望な外交官の彼の瑕疵になる訳にはいかないのだ。
何度も考えて決めたことだ。
「本当になにもないの。ただ日本に帰ってきて現実に戻っただけ。私は裕斗さんと結婚して海外で過ごすより、ここで普通に暮らしたい」
(私がいなくなった方が、裕斗さんの為になる)
呼び出し音が鳴るたびに、息苦しさがこみ上げる。
「麻衣子」
呼び出し音が途切れ、受話器の向こうから聞こえてくる優しい声を聴いた瞬間、涙が溢れそうになった。
声を聴いただけで愛しさがこみ上げる。
彼が好きで、好きで仕方がない。今すぐ会いに行って、離れたくないと訴えたい。
けれど、もう決めたのだ。
「昨日から電話が通じなかったから心配していた。大丈夫なのか? もし問題があるのなら……」
「裕斗さん」
気遣いの声を麻衣子は覚悟を決めて遮った。いつになくとがった麻衣子の声に、裕斗は何かを感じとったのか一瞬沈黙が訪れる。
麻衣子は気づかれないように深呼吸をした。
「別れてほしいの」
「え……」
まったく予想していなかった言葉だからだろう。彼は虚を突かれたような声を出す。
「帰国して冷静になったら、やっぱり私には外交官の奥さんは無理だと思うの」
麻衣子は裕斗が何か言うより前にまくし立てるように言った。
「ま、待ってくれ……」
裕斗が初めて聞くような動揺したような声で言う。
「プレッシャーをかけてしまったのなら悪かった。麻衣子に無理をさせるつもりはないんだ。俺はただ君が側に――」
「謝らないで!」
「麻衣子?」
思わず出てしまった大きな声が、裕斗を驚かせてしまったようだ。
けれど彼に謝ってなんて欲しくなかったのだ。
(全部私の勝手なのに)
裕斗は何も悪くない。ただ彼に相応しくなれない麻衣子のせいなのだ。
「お互い自分に相応しい人を見つけた方がいいと思う」
「麻衣子、もしかして何かあったのか?」
「……何もないよ」
「何もないのなら、麻衣子がそんな発言をするわけがない。話してくれないか? 困っていることがあるなら、必ず俺が力になるから」
裕斗の真摯な声を聴いた瞬間、ぐらりと心が揺れた。
(裕斗さんに何もかも打ち明けられたら……でも無理……いえるわけがない)
前途有望な外交官の彼の瑕疵になる訳にはいかないのだ。
何度も考えて決めたことだ。
「本当になにもないの。ただ日本に帰ってきて現実に戻っただけ。私は裕斗さんと結婚して海外で過ごすより、ここで普通に暮らしたい」