いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!

 自分に言い聞かせていたそのとき、足元から声がした。

「ママ、おなかすいた」

 気づくと小春小さな手で麻衣子のリブパンツを掴み、見上げている。

「あ……そうだね、早く食べよう」

 麻衣子は小春をひょいと抱き上げて椅子に座らせる。絵麻と大樹と柚樹も席に着いた。

「いただきます!」

 賑やかな朝食がはじまる。


「わあ、おはなのウインナーだ」

 小春が絵麻の焼いたウインナーを見て、うれしそうににこりとする。

「みてよ! こっちはタコだ!」

 大樹のテンションも高い。

「はるは、おはながいいな」

 小春は可愛いくて綺麗なものが好きだ。

「はる、ぼくのおはなと、こうかんしてあげるよ」

 柚樹が小春にたこと花のトレードを申し出た。

「ゆずちゃん、ありがとう」
「ぼくのも、はるにあげる」

 花が咲いたように笑う小春を見て、大樹も柚樹に便乗する。

「だいちゃん、ありがとう!」

 女の子ひとりなうえに、体が小さく病弱だからか、大樹と柚樹は、なんとなく小春を庇護する対象として見ている節があって、とても優しく大切にしてる。

 大樹と柚樹はお互いを意識して競っているようなときがあるけれど、なんだかんだと気が合っている。

「はる、あとで可愛いリボンで結んであげるね」
「えまちゃん、ありがとう」
「ぼくと、ゆずのは?」
「だいとゆずは髪の毛が短いでしょう? ふたりには、かっこいいキーホルダーをつけてあげる」
「やった!」

 大樹がはしゃぎ、柚樹もうれしそうに微笑んでいる。

 絵麻と三つ子との関係も良好だ。 

 家族が仲がよくて、よかったと思う。

(私は十分幸せだよね)

 この生活を大切にしたい、麻衣子は心からそう思っている。
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