いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!
「……わかった。あとでたべていもいい?」

 小春はおねだり上手だけれど、聞き分けがいい子だ。駄目な理由を話すと、だいたいは引き下がる。

 幼い頃から病院に通っているからか、検査や治療を嫌がる様子もない。

 その後は問題なく小児循環器内科まで移動した。

「雨村さん、こんにちは」

 受け付けで顔見知りの看護師に声をかけられたので、小春ともども笑顔で挨拶を返す。

「こんにちは」
「まあ、よく挨拶できました」

 彼女は麻衣子より一回りくらい年長で、厳しいベテランの風格が漂っている。それでも小春には優しい笑顔を向けてくれる。

「小春ちゃん、先生が中で待ってるよ」
「はい」

 小春はこくんと頷くと、麻衣子と手をつないだまま診察室に向かう。室内に入ると、親しみを感じる声に迎えられた。
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