いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!
麻衣子にとって触れられたくないデリケートな部分を察しているかのように、何も聞かないでいてくれたのだ。
夏目は学生の頃から、他人の心情に妙に敏いところがあったから、表に出さない麻衣子の拒絶に気づいたのかもしれない。
かといって、何もせず放っておくこともしなかった。
医師と患者としてだけではなく、旧友として何かにつけて気にかけてくれた。
麻衣子は夏目の親切心に甘えすぎてはいけないと思いながらも、小春が突然高熱を出したときや吐き出したときなど、彼を頼ってしまうことがあった。
何度か連絡を取っているうちに、夏目がわりと近所に住んでいることを知った。
青海総合病院での勤務が決まったときに、病院近くのマンションに引っ越しをして来たそうだ。
三つ子と買い物をしていたら偶然夏目に会い、子供たちと一緒に食事をしたことがある。
地域の人の憩いの場である公園で三つ子を連れて行ったら、ジョギング中の夏目がいて、流れ一緒に遊ぶことになった。
そんなふうに少しずつ交流しているうちに、三つ子も夏目に馴染み、絵麻も含めて家族ぐるみで親しくなっていった。
ときどき麻衣子宅での夕食に招き、六人で食事をすることがある。
「うん。次の検査は少し時間を開けてもよさそうだ」
エコー検査の結果を確認していた夏目の言葉に、麻衣子はほっとして肩を下ろした。
何度経験しても、検査のときは緊張するものだ。
日頃の様子から大丈夫だろうと分かっていても、もし悪化していたらと不安になってしまうのだ。
このまま自然と穴が塞がり、健康になってくれたら……母親としてはそう願わずにはいられない。
次回から検査の感覚が開くということは、良好な経過の表れだろう。
麻衣子は笑顔を浮かべながら、検査で乱れた小春の柔らかな髪を直してやる。
「ママ、シュークリームたべようね」
念を押すような小春の声に、麻衣子は笑顔で頷いた。
会計を済ませて次回の予約を取ってから、小春が待ち望んでいたシュークリームを買いに行く。
ショーケースには何種類かのデザートが並んでいて、小春が目を輝かせて覗き込もうとする。
「ショーケースを触っちゃ駄目よ」
放っておくてペタペタ触ってしまうので、釘を刺しておく。
「うん」