いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!

 馬鹿正直に答える必要はなかったのに、なぜ誤魔化さずに本当のことを言ってしまったのだろうか。

 通院していると言ったら、近くに住んでいるのだと知られてしまう。そして何よりも、小春との関係が知られてしまう。

 口には出さないものの、裕斗は小春の存在に気づいているはずだ。

(もし私の子だと知られたら、自分の子かもしれないと疑われるかもしれない)

 麻衣子はさっと血の気が引くのを感じた。

(どうしよう……)

 顔を会わせたこの状態で、誤魔化すことができるのだろうか。

 裕斗は小春に目を遣り、何かを考えるような表情をしている。

(なにを考えているのだろう……)

 聞いてしまいたくなるけれど、何を言っても墓穴を掘りそうな気がして、声がでない。

 ふたりの間に気まずい沈黙が流れている。

 そのとき、足元から小さな声が響いた。

「ママ、おうちにかえろう」

 はっとして視線を下げると、小春が不安そうな表情で麻衣子を見上げている。

「ママ……」

 小春が、何かにすがるように麻衣子の足にぎゅっとしがみつく。

「あ……大丈夫よ。もう少しだけ待っててね」

 麻衣子ははっとした気持ちで、小春を抱き上げた。

 幼い子供は、母親の不安を敏感に感じ取る。小春はただでさえ人見知りなところがあるから、今強い不安を感じているのだろう。
(しっかりしなくちゃ、私は母親なんだから)

 気を引き締めて裕斗を見つめる。彼は小春から麻衣子に戸惑いが浮かぶ顔を向けた。

「この子は……ママと言っていたが君の子供なのか?」

「はい。私の娘です」
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