いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!

「やった! チョコケーキだ!」

 帰宅してお土産を広げると、大樹がはしゃいだ声をあげた。

「ぼくのはロールケーキ?」

 柚樹もうれしそうに目を輝かせている。クールな柚樹だけれど、実は三つ子で一番のケーキ好きなのだ。

「うん。はるがえらんだの。ママはこれで、えまちゃんはこっち」

 小春が身を乗り出して、小さな手でモンブランとフルーツタルトを指さす。

「おいしそう。はる、ありがとうね」

 絵麻が小春の頭をなでると、小春はうれしそうに目を細めた。

「おいしい!」

 ミルクをお茶替わりに、夢中で食べはじめた三つ子を、絵麻が優しそうに見つめている。

「えまちゃんのおいしい?」
「うん、すごく美味しいわよ。はるも、ひと口食べてみる?」
「うん!」
「あ、ぼくも!」
「……ぼくもたべたいな」

 小春に続き大樹と柚樹も声を上げる。絵麻のフルーツタルトは見かけも華やかでフルーツがつやつやと輝いているので、気になるのだろう。

「それじゃあ、ちょっとずつ分けようか」

 和気あいあいとしたおやつタイムに、子供たちは満足したようにはしゃいでいた。

 
 しばらくして、子供たちがリビング隣の和室で遊び始めると、絵麻が浮かない表情で麻衣子を見た。

「何かあったんでしょう?」

 どうやら内心の動揺が表に出てしまっていたようだ。

「うん、実は……」

 麻衣子は病院で裕斗と再会したことを、簡単に説明した。三つ子の出産の前に、絵麻には事情をほとんど話していた。子供の父親は外交官で、この先会うことはないだろうと。だから絵麻は相当驚いたようだ。
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