異世界転生した先は断罪イベント五秒前!
「私たち、恋に恋をしていたのかもしれませんね。お互いをしっかりと見られていなかった。だからあのパーティーの日、アーロン様も破棄を取りやめられましたものね。いいんです、とても素敵な思い出をいただきました。ご迷惑もおかけして、すみませんでした。今までありがとうございました」
バッサリと切り捨てるわね……。女性って基本的に恋は上書き保存だって言われているものね。それが本当かどうか確かめる経験なんてしたことないけど……。
やや傷ついた顔をしながら、彼がこちらを向く。
「そ、そうだな。恋に恋をしていたのかもしれない。これからは君を――」
「だから駄目ですよ、兄上」
本当に駄目だ。このメンバーでも駄目すぎる。居心地が悪い。
もうレヴィアスエンドは避けられそうにないし、適当にアーロンにあてがうのに相応しそうな女性、いたかな……。
ピピピッと思い出す。
あのパーティーの日、嫌悪を表に出すこともなく訝しげな目で私たちを見ていた女性がいた。そのあともチェルシーのことを私に悪くも言わず……なんとなくそこに佇んでいるといった彼女はブレンダ・ワーグナー侯爵令嬢だ。
彼女となら上手くやれる気がする……!
私はスクッと立ち上がった。
「ブレンダさんとも一緒にお茶を飲みたいわ。お二人ともお許しいただけるかしら。よろしければ鍵を貸してください、レヴィアス様。探してまいります」
アーロンがよく分からないけど任せるよという顔でレヴィアスを見る。彼も居心地が悪くて変化が欲しかったのかもしれない。
「どうしてブレンダ嬢なんだ。今より面倒なことにならないといいけど……ねぇ」
レヴィアスがチェルシーたちに一瞬視線をやってから、厭味ったらしい目でこちらを見る。
「だからチェルシーさんの時はあなた、乗り気だったでしょ!」
「はいはい。私も一緒に行こうか」
「待ってくれ。それなら僕も行く」
さすがにチェルシーとハワードのアツアツの二人のところへアーロンを置いていくのは、レヴィアスも気が引けたらしい。肩をすくめて何も言わずに立ち上がった。
「私たちはお待ちしていますね〜!」
あーあ。
とりあえず女性が誰でもいいからここにもう一人いるだけで違う気がする。なんとかして彼女を探そう。
バッサリと切り捨てるわね……。女性って基本的に恋は上書き保存だって言われているものね。それが本当かどうか確かめる経験なんてしたことないけど……。
やや傷ついた顔をしながら、彼がこちらを向く。
「そ、そうだな。恋に恋をしていたのかもしれない。これからは君を――」
「だから駄目ですよ、兄上」
本当に駄目だ。このメンバーでも駄目すぎる。居心地が悪い。
もうレヴィアスエンドは避けられそうにないし、適当にアーロンにあてがうのに相応しそうな女性、いたかな……。
ピピピッと思い出す。
あのパーティーの日、嫌悪を表に出すこともなく訝しげな目で私たちを見ていた女性がいた。そのあともチェルシーのことを私に悪くも言わず……なんとなくそこに佇んでいるといった彼女はブレンダ・ワーグナー侯爵令嬢だ。
彼女となら上手くやれる気がする……!
私はスクッと立ち上がった。
「ブレンダさんとも一緒にお茶を飲みたいわ。お二人ともお許しいただけるかしら。よろしければ鍵を貸してください、レヴィアス様。探してまいります」
アーロンがよく分からないけど任せるよという顔でレヴィアスを見る。彼も居心地が悪くて変化が欲しかったのかもしれない。
「どうしてブレンダ嬢なんだ。今より面倒なことにならないといいけど……ねぇ」
レヴィアスがチェルシーたちに一瞬視線をやってから、厭味ったらしい目でこちらを見る。
「だからチェルシーさんの時はあなた、乗り気だったでしょ!」
「はいはい。私も一緒に行こうか」
「待ってくれ。それなら僕も行く」
さすがにチェルシーとハワードのアツアツの二人のところへアーロンを置いていくのは、レヴィアスも気が引けたらしい。肩をすくめて何も言わずに立ち上がった。
「私たちはお待ちしていますね〜!」
あーあ。
とりあえず女性が誰でもいいからここにもう一人いるだけで違う気がする。なんとかして彼女を探そう。