まだ誰も知らない恋を始めよう
自室の天井を見上げながら、俺は考える。
「フィニアスなら幼少期から後継者の教育は受けていて、その責任とか心構えも叩き込まれている」
そんな風にモーリス卿は俺を評価してくれたけど、本当の俺はそうじゃない。
確かに教育は受けてきた。
だが、心構えなんて出来ていない。
5年後、重責を背負うのが怖くて、でもそこから逃げられない、と諦めて。
流されるままにその日が来るのを待っている。
ダニエル、君に知られたら失望されるかもしれないけど、俺はそんな情けない男だった。
ペンデルトンの歴史的シンボルとも言われて有名なロビーのシャンデリアさえ、ちゃんと見た事が無かったんだ。
だけど、これからはガキくさい父への反抗心や、くだらないプライドは捨てる。
ようやく、俺は自分から動くと決めた。
俺だけがのほほんと、誰かが解決してくれるのを待っていて、いいわけがないだろ。
ダニエルはもちろんだが、彼女の叔母上の手も煩わせたくない。
俺が、ペンデルトンが動けば、モーリス卿に迷惑をお掛けするかもしれないが、溺愛する妹がこの件から手を引く方を、あのひとは賛成するはずだ。
父に会うために、ベッドから起き上がる。
彼女に対する責任を取る方法は何なのかを考えながら。
「フィニアスなら幼少期から後継者の教育は受けていて、その責任とか心構えも叩き込まれている」
そんな風にモーリス卿は俺を評価してくれたけど、本当の俺はそうじゃない。
確かに教育は受けてきた。
だが、心構えなんて出来ていない。
5年後、重責を背負うのが怖くて、でもそこから逃げられない、と諦めて。
流されるままにその日が来るのを待っている。
ダニエル、君に知られたら失望されるかもしれないけど、俺はそんな情けない男だった。
ペンデルトンの歴史的シンボルとも言われて有名なロビーのシャンデリアさえ、ちゃんと見た事が無かったんだ。
だけど、これからはガキくさい父への反抗心や、くだらないプライドは捨てる。
ようやく、俺は自分から動くと決めた。
俺だけがのほほんと、誰かが解決してくれるのを待っていて、いいわけがないだろ。
ダニエルはもちろんだが、彼女の叔母上の手も煩わせたくない。
俺が、ペンデルトンが動けば、モーリス卿に迷惑をお掛けするかもしれないが、溺愛する妹がこの件から手を引く方を、あのひとは賛成するはずだ。
父に会うために、ベッドから起き上がる。
彼女に対する責任を取る方法は何なのかを考えながら。