まだ誰も知らない恋を始めよう
「メイトリクスが皆さんに掛け続けていた幻惑が解け始めました。
これは解術どうこうではなく、掛け続けないと自然に消えてしまうものです。
夫だったマーレイさんの次に影響が大きいのは同居していたロジャーさん、それから見舞いと称して泊まり込んで様子を伺われていたルディア夫人で、下手をすると倒れられているかも。
その次は会長とザカリー氏ですが、お2人は頭痛で済んでるようですね」
それを聞くなり、アリアさんが駆け出して行き。
その後ろを母を案じた父が、すまんフィン、と言いながら、走って行く。
昨夜はあんなに力強く、俺を取り戻す、と言ってくれた父だが、やはり最優先は母だった。
まぁ、この場に残ってくれていたとしても、見ているしか無い訳だし。
倒れたかもしれない母に付いていてくれた方が、俺も安心出来る。
「では、ロジャーさんも倒れて?」
俺が聞きたい事を、先にダニエルが尋ねてくれる。
「今は病院ですから、彼は心配しなくても大丈夫ですよ。
急に体調を崩して、今夜は入院となるかもしれませんが」
そう言って、ベッキーさんが俺に向き合った。
「お待たせしました。
さて、貴方の解術を始めましょう」
これは解術どうこうではなく、掛け続けないと自然に消えてしまうものです。
夫だったマーレイさんの次に影響が大きいのは同居していたロジャーさん、それから見舞いと称して泊まり込んで様子を伺われていたルディア夫人で、下手をすると倒れられているかも。
その次は会長とザカリー氏ですが、お2人は頭痛で済んでるようですね」
それを聞くなり、アリアさんが駆け出して行き。
その後ろを母を案じた父が、すまんフィン、と言いながら、走って行く。
昨夜はあんなに力強く、俺を取り戻す、と言ってくれた父だが、やはり最優先は母だった。
まぁ、この場に残ってくれていたとしても、見ているしか無い訳だし。
倒れたかもしれない母に付いていてくれた方が、俺も安心出来る。
「では、ロジャーさんも倒れて?」
俺が聞きたい事を、先にダニエルが尋ねてくれる。
「今は病院ですから、彼は心配しなくても大丈夫ですよ。
急に体調を崩して、今夜は入院となるかもしれませんが」
そう言って、ベッキーさんが俺に向き合った。
「お待たせしました。
さて、貴方の解術を始めましょう」