内緒でママになったのに、溺愛に目覚めた御曹司から逃れられない運命でした。
(いい天気ね)
雨に濡れた葉っぱが陽光に当たり、キラキラと輝いている。
帽子を被っていても日差しが眩しく、じんわりと汗をかいてしまうが、風通しのいい芝生の上なら涼しいぐらいだ。
ようやく梅雨明けが発表された七月上旬。今日は絶好のピクニック日和になった。
「ママ……」
サンドイッチとフルーツを食べ終わった璃子は、モジモジしながら藍里の後ろに隠れる。
「どうしたの、璃子?」
そう声を掛けると、チラチラと蒼佑の顔と藍里の顔を見比べる。
「もしかして、パパと一緒に遊びたいの?」
どうやら図星だったらしい。璃子は藍里の背中に顔を埋め、ぶんぶんと頭を縦に振った。
「ほら、遊んでほしいときはなんて言ったらいいの?」
璃子は藍里の背中からチラッと顔を覗かせた。
「あしょんで?」
かわいいおねだりに蒼佑はたまらず破顔した。愛娘の要望に抱っこで応じる。