内緒でママになったのに、溺愛に目覚めた御曹司から逃れられない運命でした。
◇
「藍里、ちょっといいか?」
コレクションルームにやって来た蒼佑は、藍里を手招きして廊下まで呼び出した。
「なんですか?」
「藍里に見てもらいたいものがあるんだ。執務室まで来てくれないか?」
「わかりました」
藍里は彼のうしろに続き、廊下を歩いた。
(いったいなんだろう)
執務室の応接セットのテーブルの上には、見慣れないスケッチブックが何冊も並べられていた。
「これは?」
「藍里に贈る結婚指輪とジュエリーのイメージスケッチだ」
蒼佑は藍里をソファに座らせると、隣に腰掛け、スケッチブックを手に取った。
「実は知人がジュエリーショップを経営していてね。質のいいブルーダイヤモンドが手に入ったら、確保してもらえるように頼んでおいたんだ」
前にジュエリーを贈りたいと言っていたが、まさか本気だったとは思わなかった。
蒼佑は嬉々としてページをめくり、藍里にイメージスケッチを見せ始めた。