内緒でママになったのに、溺愛に目覚めた御曹司から逃れられない運命でした。

「そんなことより、七日ぶりに帰ってきた夫を労ってくれないか?」

 蒼佑はカウチソファに座ると、この上に来いとばかりにポンポンと己の膝を叩いた。

「え!?」

 突然のおねだりにどうするべきかと戸惑っていたら、いつまで経っても動かない藍里に焦れたのか腕を引かれる。

「あっ……」

 体勢を崩した藍里は、彼の膝の上にまたがる形でのしかかった。即座に腰に手が回され、身体がピタリと密着する。
 吐息が触れ合いそうな距離で見つめ合えば、艶めかしい雰囲気が漂い始める。誰にも見られていないはずなのになんだか妙に気恥ずかしい。

「ただいま、藍里」
「お帰りなさい、蒼佑さん」

 そう言うやいなや、頭に手が添えられ唇が塞がれる。

「んっ……」

 二人分の体重を受け止めるカウチソファがギシリと軋む。
 束の間の別離が蒼佑の心に火をつけたのか、口づけは一段と激しいものとなった。
 息継ぎの合間に、蒼佑がボソリとこぼす。

「離れている間、藍里が恋しくてしかたなかった」

 弱音など吐きそうにない彼が、藍里には甘えてくれている。意外な一面に心がくすぐられた藍里も素直に白状した。
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