内緒でママになったのに、溺愛に目覚めた御曹司から逃れられない運命でした。
「なんで璃子が自分の子どもだって断言できるんですか? 私が他の男性とも関係を持った可能性があると思わないんですか?」
「目だ」
「目?」
「彼女の瞳は少し青みがかっていただろう? 今は普通の黒目だが、俺も子どもの頃は青かった。三角の人間にはときどき表れる特徴らしい」
蒼佑の説明に思わず息を呑む。
璃子の瞳の色については藍里も気になり、一度大きな病院で専門医の診察を受けた。その際、病気の類ではなく遺伝的なものではないかと結論づけられた。
(蒼佑さんからの遺伝だったなんて……)
衝撃の事実に藍里が驚いていると、蒼佑はしれっとした顔で、さらに続けた。
「それに、俺は藍里が奔放な女性ではないと思っている。明らかに手慣れてなかったしな」
真顔で指摘され、顔から火が出るかと思った。
蒼佑の言う通りだ。当時の藍里には長らく恋人と呼べる存在はいなかった。
男性と身体を重ねたのも大学生のとき以来だったし、回数もさほど多くない。蒼佑に身を任せたあの夜も緊張で身体が強張っていた。