コンネリシャス王国の恋物語2  亡国の王女と心優しい王子の恋
リリーは、素敵な王子様のような彼に
“ありがとう”と言って微笑まれて、胸が
どきどきした。また来ると言って帰って
いったが、本当にまた来てもらえるといい
のにと心待ちにしている。

どこかで会ったような懐かしい感じもしたが
初対面なのだからそんなはずはない。

男らしい眉に優し気な薄いブルーの瞳に
ちょっとブラウンがかった黒い髪が無造作に
下ろされていて、それを何度もかき上げる
仕草がセクシーだった。

高い鼻梁に薄い唇、気品があって本当に
王子様のように美しかった。

背も高く鍛えられた体躯をしていた。

きっと無駄な贅肉なんてどこにもついて
いないだろう。

脚も長くてスタイル抜群だった。

リリーはその日の午後は、彼の声や顔を
思い出してお店を閉まるまで楽しい時間
を過ごせた。

一人でやっている花屋なのでお昼も食べ
損ねることも多いが、今日の”彼”の
ようなステキなお客様や、お花を
嬉しそうに大事に持って帰って下さる
お客様に出会うと嬉しくなってしまう。

その日の夜の“今日の良い事”は、彼に
会えたことだと決めて、ノートに書き留めた。
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