コンネリシャス王国の恋物語2  亡国の王女と心優しい王子の恋
ジュシード王子からは、5枚の便箋に
びっしりと近況やルル王妃や兄弟の事
セレスが護衛騎士を引退した事などが
ユーモアを交えて書いてあった。

そしてリリーの手紙を見て返事を書いて
くれたのだろう。

“毎晩9時には空を仰いで星空を見るよ。
デイアもその時間にできたら空を見て
僕がデイアを想っている事愛している事を
感じてほしい。
星が見えない雨の日は会いたくて会いたくて
会えない日々がつらくて泣いているんだと
思っていて”という返事が添えられていた。

それを読んでリリーは一人夜になると
ジュシード王子を思って星を眺めた。

時々お腹の子供に”あなたのお父様もこの星を
遠いコンネリシャス王国と言うところで
見ているのよ“と言ってお腹を撫でた。

するとぴくんと中から返事をするように
胎動があった。

ピートはマリアにも手紙を届けてくれた。

そしてピートと一緒に必要なものを買う
手伝いをしてくれている。

マリアの手紙には店は細々とだけれど
何とかやっている。

私の手作りの布のバックや刺繍の物も売れて
いるので心配しないでね。そして孤児院から
一人手伝いの子を雇ったので、助かっている。
その子が15歳になって孤児院を出る事に
なったらここに住まわせてお店を手伝って
もらっていいかな?
返事は今度ピートさんが来る時で構わないと
書いてあった。

リリーはマリアがちゃんとやっている事そして
考えて人を雇っている事も嬉しかった。

多分コンネリシャス王国に帰れることに
なっても、もう店には戻れないのでマリアに
そのまま店を続けてほしいと思っている。

でも、今はそのことは知らせられないので
マリアにすべて任せているのでマリアが
いいようにしてねと書くつもりだ。

こうしてジュシード王子やマリアからの
手紙を読むとホームシックになる。

特に夜は寂しくなって一人泣いていたりも
したが、今はお腹に赤ちゃんがいてくれる
ので寂しさも少しはまぎれている。

あと少しでこの子に会えると思うと嬉しくて
そしてジュシード王子に知らせてやれない
事が二人に申し訳なくて胸を痛めた。

カメリアの夜は静かで月や星が近くに
見える手を伸ばせば届くようだ。

満月の日には月明りで薬草畑やバラ園などの
花を育てている畑が美しく輝いているように
見える。

虫の声が時々聞こえるくらいで静謐な
この時間がリリーは大好きだ。

母様は朝が好きだと言っていたがリリーは
この子がお腹にいると分かってからは
なぜだか朝の静寂より夜の静謐に澄んだ
空気を好むようになった。

この子はきっと男の子だとリリーには
なぜかわかるのだ。

名前もリードシャム・ルイ・カメリアと
決めている。

この子はきっと魔法が使えるお腹の中に
いるのだがリリーには子供の魔力の
気配を感じる事ができるのだ。

きっと強い魔力の持ち主のような気がする。
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