コンネリシャス王国の恋物語2 亡国の王女と心優しい王子の恋
その日は朝から北風が強かった天の見方か
投石に勢いがつく想定よりも遠くまで
飛ばせるかもしれない。
昼前になると皆は南側の崖に集まっていた。
攻撃の陣頭指揮を執るのはデイランだ。
リシ―ドシャムが、もうすぐ船が動き出す
と言ったので、配置についておにぎりや
サンドイッチを食べていたのだ。
海岸線には重油が入った缶が等間隔に
並べられている。
もしも、敵兵士が上陸することになれば
デイランが火のついた矢で缶を射て
炎上させるのだ。
なるべくそこまではしたくない。
上陸は阻止したいし、それまでに
コンネリシャス王国の援軍が間に合って
くれることを祈るばかりだ。
「船だ!」
と言う声が上がった。
見るとテレジア共和国の西側から三艘の
軍船が、やって来た。
そして30分もするとカメリアに対峙
するように均等に距離を取って並んだ。
テレジア共和国の軍隊長が拡声器で
カメリアに降参するように
テレジア共和国の属国として従うなら
攻撃はしないと言った。
ただし人質としてリリーデイア女王の
身柄を引き渡せと言ってきた。
リリーデイア女王は凛として応えた。
「テレジア共和国のような卑怯な国の
属国になるつもりはありません。
コンネリシャス王国の領として
コンネリシャス王国の統治のもとに
入るのです。カメリアを攻撃すると
いう事はコンネリシャス王国に
弓を引く事になるのですよ」
とリリーは声を張り上げたが聞こえたか
どうかは疑わしい。
デイランはすぐに投石ができるように
準備を整えている。
リシ―ドシャムが、リリーの前に出て
腕を振り上げた。
何をしたかわからなかったが、軍船から
大砲を撃たれて、気が付いた。
バリアーを張ったのだ。
リシ―ドシャムが守ると言っていたのは
これの事なのかとリリーは、我が子ながら
途轍もない力を持っている事に驚いた。
デイランも投石を命じた。
バリアーは内からのものは通すらしい。
次々に飛ぶ石にリシ―ドシャムが火を
つけていく。
その内の何個かは船に命中した。
兵士は火を消すことに必死になっている。
リリーは水魔法で波を起こして、
降ろされた小舟を転覆させた。
軍船も波を受けて大揺れに揺れている。
大砲はバリアーにあたって砕けている。