コンネリシャス王国の恋物語2  亡国の王女と心優しい王子の恋
そうして懐かしいリリーの少し甘くて
爽やかな匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。

リリーもジュシード王子に

「ああ、シードの匂い懐かしくて安心する」

二人はしばらくぴったりと体をくっつけて
抱き合っていた。

「わかっていたわ。シードが一生懸命に
頑張ってくれていたこと。
リシーがね夢でお父様を見たって言ってた。
僕と同じ髪の色と目の色だったって、
背が高くてかっこよかったって
言ってたのよ」

「そうか、何度も星を見て自分の
不甲斐なさに涙していたからな。
そんな所を見られていたんじゃ
ないといいな」

リリーはリシードシャムがお父様が
泣いていたと言っていたのは
言わない事にした。

ジュシード王子は充分に頑張って
くれたのだ。

でも、ジュオン国王やルル王妃様の
後押しがあっての事だと聞いてリリーは
ありがたくてジュシード王子に縋って
泣いてしまった。

この3年近くは何があっても
泣かなかったのだ。

ジュシード王子がそばにいることで
リリーの気持ちに余裕が生まれて
気が緩んだのだろう。

リリーは今夜だけはジュシード王子に
甘えてその胸で泣かせてもらおうと
心行くまで縋っていた。

ジュシード王子はそんなリリーが可愛くて
“デイア”と耳元で低く囁くとそっと
抱き上げてリリーのベッドに連れて行った。

2人は心ゆくまで求め合って愛し合った。

ジュオン国王は次の日軍船に乗って帰って
いったがジュシード王子はコンネリシャス
王国がカメリアを統治することに関して
リリーと話し合わなくてはいけないことが
たくさんあるので1カ月の滞在を進めて
くれてそれまでにしっかりと話を詰めて
1カ月後に女王とリシードシャム王子と
一緒に帰ってくるようにと言ってくれた。

ジュオン国王の配慮でしばらくカメリアに
滞在することになったジュシード王子は、
自分にそっくりなリシードシャムと
しっかり向き合って親子の時間を過ごす
ことができることを感謝した。

リシードシャムは“父様、父様”と言って
ジュシード王子の後をついて回っている。

可愛くてたまらないという顔で
ジュシード王子もリシードシャムを腕に
抱えてカメリアを視察している。
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