コンネリシャス王国の恋物語2  亡国の王女と心優しい王子の恋
「カメリアの民はデイアを見れば
言わなくても第一王子グリードシャムの
娘だってすぐにわかるはずよ。
デイアはお父さまにそっくりなのよ。
髪の色も目の色も仕草まで似ているの。
それはそれは美しい人だったわ。
あなたがいたから私はあの人がいつも
そばで見守っていてくれると感じられて
幸せだったのよ。ありがとうデイア。
私の可愛い娘。
こんなに早く別れることになって
ごめんね。デイア顔を上げて前を向いて
誇り高く生きてね。
でもその時が来るまでデイアの身分は
明かさないで、その時はきっとデイア
自身がわかるはずよ。
母さんはいつも空からデイアを
見守っているわ」

母はそう言って目を閉じて最後にスーと
息を吐きだして、旅立っていった。

母の葬儀の手配もすべて近所の人達が
やってくれた。

リリーは裏庭で花を摘んで一つにまとめて
白いリボンで結んだ。

それを母の棺に入れると、母の顔が少し
明るくなった気がした。

それが母との別れの儀式だった。

リリーは母に誓った。

これからはどんなに辛いことがあっても泣かない。

母との別れ以上に辛いことなんかない。

そう思ったのだ。
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