コンネリシャス王国の恋物語2  亡国の王女と心優しい王子の恋
もしかしてと思い、リリーは長持の中の
ものをすべて出して底をコンコンと叩いて
みると、下に空洞があるような音がした。

急いでハサミを取って来て、底板の周りに
刃先を突っ込んでいくと、底板が外れて
中には布が引き詰められていて動かしても
音がしないようにしているようだ。

布の中には、宝石や真珠を使ったテイアラ
や首飾り指輪などの宝飾品が入っていた。

母は死ぬ間際にこのことを言い忘れたに
違いない。

テイアラにはカメリア王国の王家の紋章が
刻まれていた。

リリーは母に預かった真珠と護符をその中に
入れてまた底板をかぶせた。

父はきっとリリーたちを逃がす際にお金に
変えられるだろう物を短い時間で、
できるだけ持たせてくれたのだろう。

父の気持ちを考えると悲しくて
ありがたくて胸が張り裂けそうになった。

そして、絶対にカメリアに帰るのだと
心に誓ったのだった。

次の日マリアが荷物をもってやって来た。

着るものくらいしか荷物はなかったので
バック一つ持ってきただけだったが、
マリアは意気揚々とやって来た。

院長が2カ月早いけれど独り立ちの資金も
持たせてくれたと言ってリリーに
渡そうとするので、

「マリアそれはあなたのお金なのよ。
これからどれだけ渡して上げられるか
わからないんだから、大事に取って
おきなさい。そして少しずつ増やして
いくのよ。あなたの将来の為に
頑張って働いてお金をためて
いきなさい」

「うん、わかったありがとう。
でもこのお金はどうしたら
いいかなあ?」

銀行に口座を作るには、未成年だと
後見人がいるのでリリーが後見人なって
口座を作るようにしようと言って、
ひとまず自分の部屋の箪笥にしまって、
今日は自分の部屋を整える事から
始めるように言った。
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