コンネリシャス王国の恋物語2  亡国の王女と心優しい王子の恋
階段の登りきったところからそれを見ていた
ルル王妃は、セレスに手招きして

「どうしたの、何その喜びようは?」

とセレスに小さな声で訪ねた

「実は、ジュシード王子がリリー様に
デートを申し込まれて、リリー様も
了承されたので嬉しくなって
しまったのです」

そう言ってセレスは顔を赤らめた。

何それと言ってルル王妃は、
セレスの背中をどんと叩いた。

「ジュシードのお見舞いが終わったら
私もリリーと話してみたいのだけど、
彼女の癒しの魔法も気になるの」

「分かりました。
後でリビングにお連れします」

「お願いね」

と言ってルル王妃は階下に戻っていった。

リリーは、ジュシード王子に暇乞いをして
廊下で待っていたセレスに

「セレス様ありがとうございました」

そう言って綺麗なお辞儀をした。

本当にこの女性は立ち居振る舞いに気品が
あって凛とした所作が美しい。

「リリー様王妃様が少しお話をされたいと
言ってリビングでお待ちです」

リビングに案内するセレスの後に続きながら
きっともうジュシード王子に関わらない
ように言われるのだろうと覚悟を決めて
ルル王妃の前できれいなお辞儀をした。

このお辞儀や立ち姿歩き方は本当に厳しく
母から教えられた。

いつもは優しい母が礼儀や作法を教える時
だけは厳しかったのだ。

亡くなる時にもカメリア王国の王族だという
矜持をもってこれからも礼儀作法には
気を付けなさいと言われたのだ。

その厳しい指導のお陰でリリーの所作は
美しく上品だといつも褒められる。

ルル王妃は、リビングのソファーで
寛いでいるようだった。

「王妃様、お久しゅうございます。
孤児院によく慰問に来ていただいて
いたので何度かお目にかかったことが
ございます。多分王妃様は覚えて
いらっしゃらないかとは思いますが」
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