魔法文具屋で、“わたし改革”はじめます!



「でも先輩、図書室でよく頭悩ませてたでしょ?」

「え。それも知ってるの?」

「うん。体育祭の計画で、唸ってるのを見ました」





そんなところまで見られていたのか。
いよいよ恥ずかしくなって、空翔くんの顔を見れなくなった。





「それを見て、めっちゃ努力してて、それを見せない人なんだなって気づいて。オレ、ほんとーに尊敬してるんすよ」





「そんなことないよ」って、すぐに返しそうになった。
でも……やめた。
わたし、がんばってきたもん。認めてあげようって、少しだけ思えた。


わたしが努力してきたのは事実だ。
それを認めてあげないと、わたし自身がかわいそう。
今まで、わたしがわたし自身を傷つけていたのかもしれない。





「ここね先輩が守ってるこの魔法文具屋、オレ、めちゃくちゃ好きですよ! だって、あったかいし、ちゃんと心に届いてくるもん!」

「……嬉しい。ありがとう」





空翔くんからのまっすぐな言葉に、素直にそう言えた。





「ここね先輩、元から強かったけど、もっと強くなりましたね!」





店長さんからの言葉を思い出した。
『そんなふうに自分をちゃんと見つめてる子って、ほんとはすごくやさしくて、強いの。
自分の強さに気づいてないだけ。』


わたしは、わたしの強さに気づき始めた。


わたしの強さは——たぶん、“寄り添える”こと。
ちゃんと迷って、ちゃんと悩むからこそ、人の痛みがわかる。


派手じゃなくても、周りに気づかれなくても、誇れる自分の強さ。


その強さに気づけたのは、
文房具たちと、このお店と、ここに来てくれたみんな。
そして——空翔くんのおかげ。



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