【マンガシナリオ】ノイズまみれの恋に溺れて ―感情ミュートな私の、恋の始まり。
第7話
■冒頭モノローグ

〈中央で俯いている藍理とその周りにいろんな上面の言葉が飛んでいるような、藍理の心の中を想起させる描写〉

藍理(俺の言葉はノイズだらけだ。その場を楽しむため、雰囲気を壊さないため、本音を誤魔化すため。
……そうして積み重ねたノイズは、やがて自分の本心さえも隠してわからなくさせてしまう)

〈雫月の後ろ姿を映す。奥に光があり、希望を感じさせる色〉

藍理(全然違うんだ。まっすぐな、あいつとはーー)

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■Scene 1
【回想】藍理高校生

〈高校の教室でブレザーに身を包む今より幼くて誠実そうな藍理の笑顔。今よりずっと爽やかで裏がなさそうな笑顔。友達に囲まれている〉

友人A「藍理ってさ、ほんと気が利くよな〜。頼れるし」
女子B「わかる〜!しかも超優しい〜!」

〈誤魔化しながらも嬉しさを隠しきれずはにかむ藍理。それに気付いた友人たちが茶化す和気あいあいとした情景〉

藍理「なんだよそれ、大袈裟」

藍理(高校時代の俺は、今よりもずっとまっすぐで優等生だった。それは教育家庭でしっかりとしつけられていたこともあったけれど、誰かが困っていれば助けたいと思う。そんな真っ直ぐな心があったからだった)

〈恋人になる少女(前髪が重くおとなしそうな女の子)が人気者の藍理を後ろから見つめる図。藍理が遠くから気付き微笑むと顔を真っ赤にして逃げ去る〉

藍理(初めて付き合った女の子は、繊細で少し不安定な女の子だった)

藍理「一緒に帰ろ?」
彼女「……っ、うんっ」

〈顔を真っ赤にしてついてくる彼女に、藍理は愛おしそうな視線を向ける〉

藍理(俺の一つの行動でころころと表情を変える彼女が本当に愛おしくて、本気で大好きだった。大切にしようって心から思っていた。ーーだけど)

〈恋人だった少女が不安げな目で藍理を見る〉

彼女「藍理、今日話していた子やだ。藍理のこと絶対好きだもん、話さないで」
彼女「どうして夜返信返してくれないの?不安で寝れなかったの、お願いだから電話に出て」
彼女「一緒に帰れないってどうして?塾なんて嘘でしょ、藍理賢いんだからいらないじゃん!」

〈彼女の依存が重くのしかかり、藍理の笑顔が疲弊していく。〉
〈夜、ひそひそと電話をしているのが親にバレて、切られる。邪魔をするような子とは別れなさいと叩かれる〉

藍理「ごめん、家の事情で夜は厳しくて」
彼女「なにそれ、そういえば引き下がるって思ってるんでしょ。ずるいよ藍理。嘘つき。大切にしてくれるって言ったのに」

藍理(それでも大切だと思う気持ちに嘘はなかった。一緒にいるために真実を理解してもらおうと、何度と伝えたし、安心してもらうために学校ではずっと彼女と過ごした)

〈結局限界が来て別れる瞬間のふたり。俯いて告げる藍理と、その視線の先で座り込むボロボロの彼女〉

藍理「……ごめん、別れてほしいーー」
彼女「……藍理のせいだもん。藍理が、私を一人で立てなくさせたんだよ。最低だよ、特別にしてくれないなら、優しくなんてしてほしくなかった」

〈藍理の、心に棘が刺さったような、辛そうな衝撃そうな表情〉

〈現在の藍理の顔に戻る。仮面のような笑顔があり、ふっと目を閉じる。視線の先には、海で遊ぶサークルメンバーが写り、サークル合宿の最中であることを示す〉

藍理(あの日以来、俺は本気の恋を避けてきた。誰にでも優しく。期待させない適度な距離で。それがベストだって、そう信じてるのは、今も変わらない……)

〈藍理の視界に雫月が映るが、視線をそらして見ないようにする描写〉

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■Scene 2:
合宿最終日の夕方。チームパフォーマンス本番 ―海

〈夕暮れ。雫月たちチームの発表になる。すごく緊張している雫月。七海が声をかける〉

七海「緊張しいなの?雫月ちゃん」
雫月「……そう、なんです」

〈ばくばくとうるさくなる心臓を守るように呼吸をする雫月〉

雫月(頑張るって決めたんだ。たくさん練習したし、いい刺激も沢山もらった。藍理さんに、前とは違う私を表現する……!自信を持って隣に並べるようになるんだ)

〈ステージに踏み出した雫月。七海は愛おしそうに微笑んで後を追う〉

〈観客の拍手の中、ダンスが進み、雫月と七海のペアダンスパートになる。しっとりとした音楽の中で表現するジャズダンス。七海のソロに、見惚れるように拍手が止まっていく描写。音楽ともれる歓声〉

観客たち「うわ……すごい」「綺麗……!」

〈雫月は、静けさの恐怖に飲まれそうになりながらも、七海の穏やかな笑顔に導かれ、一歩を踏み出す〉

雫月(あ、怖くない……。っていうかーー楽しいかも)

〈七海と視線が合って微笑み合う。藍理の姿が視界に入り、さらにダンスに気持ちがこもる。藍理に対するまっすぐでピュアな恋心が表現され、キラキラとした表情に観客の視線が集まる〉

観客たち「すご……」「なんか泣きそう」

〈ダンスが終わり、その日一番の大きな拍手と歓声を浴びるふたり。楽しそうな七海と、呆然と立ち尽くす雫月〉

雫月「……えた……」

〈本当に小さく、独り言でつぶやいた雫月に、七海が首をかしげる〉

七海「雫月ちゃん?」
雫月「……っ、あ、ありがとうございました!」

〈大きな声でそう伝えて舞台を駆け降りる。そのまま観客の方へは戻らず宿泊施設の方へ抜けていく。その横顔ははっきりとは見えない〉

七海「えっ」

〈異変を察して後を追いかけた七海。そのふたりを藍理が客席の一番後ろから見つめて、反対方向へと歩き出す描写〉

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■Scene 3:
ステージ終了後 ―海から離れ、宿泊施設の裏庭

七海「まって、雫月ちゃん、どうしたの……!?」

〈立ち止まる雫月。勢いよく振り返った雫月は大粒の涙をとめどなく流している。七海は驚いて、しばらくフリーズ〉

雫月「……っ、楽しかった……!楽しかっ…たぁ〜〜〜」
雫月(やっと、乗り越えられた気がした。過去の怖かったステージが)

〈涙を流しながら、幸せそうに吹っ切れたように笑う雫月。七海は驚いていたけれど、迷いながら雫月の頭にそっと手をおく〉

七海「本当に、綺麗だったよ」
雫月「……はは、ずっと言ってくれますね」
七海「お世辞じゃないんだよ。本当に、みんなが視線を奪われてた。悔しいくらい」

〈優しい七海の微笑みに、雫月は驚く〉

七海「雫月ちゃんの表現は、特別だよ。会った日からずっと、俺はもう心を奪われてる」

〈雫月は、思わず顔を赤くする。七海もハッとした様子で顔をほんのり赤くしてはにかむ〉

七海「やば、何言ってんだろおれ、恥ずかしい」
雫月「や、嬉しいです。自信になります」

〈微笑み合うふたりの綺麗な描写。木漏れ日〉

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■Scene4:
同日夕方 ―海。最終日はBBQ。

〈お肉がたくさん並び、各々がBBQを楽しむ和気あいあいとした情景〉

千夏「楽しかったねぇ」
花梨「ね、他大学と合同なんて緊張するって思ってたけどいっぱい友達もできたし」
雫月「本当に、いい刺激だった」

〈ぎゅっと手のひらを握る雫月。千夏と花梨は顔を見合わせて嬉しそうに笑う〉

千夏「雫月ほんっと堂々とできてたもんね!七海さんのおかげ?」
花梨「超噂になってたよ。お似合いだって」
雫月「いやいやいや、恐れ多いよ。レベルを無理に引き上げてもらってた。もっと努力しないと」

〈千夏と花梨。ちょっとずれてるんだよなぁという表情で雫月を見つめる〉

莉子「千夏〜!スイカ切るの手伝って欲しい〜!」
千夏「はい!ごめんちょっと行ってくる!」
花梨「私たちも、働くか!焼きにいく?」
雫月「そうだね。私食材追加してくるよ!」

〈二人と別れて、一度宿舎の冷蔵庫へと向かう雫月。その途中で声をかけられる〉

他校男子「あれ、七海と踊ってた子じゃない?」
他校男子「あ!絶対そう!お疲れ〜1年生だっけ?」
雫月「……あっ、はい……」
雫月(慣れた人とは、だいぶ話せるように変わった自覚はあったけれど、やっぱりこういう場は苦手……)

〈表情を引き攣らせ、少し後ろに下がる。二人の男子はぐいぐいと雫月に話しかける〉

他校男子「超綺麗だったよ〜!もともとダンスやってたの?」
他校男子「ジャズ以外も踊る?いま、俺らこういうの練習しててメンバー募集してるからもしよかったら……」
雫月「……え、っと……」

〈困ったように笑うけれど、逃げることはできず。二人は楽しそうに話し続ける。悪意がないのはわかってもどうしても苦手で困っている様子〉

藍理「雫月。なんか取りに来たんじゃねーの?」

〈宿舎の大きな窓を開けて、藍理さんが首をかしげる。白ティーにシルバーのネックレスが輝いて、眩しく見える。あからさまにほっとする雫月〉

雫月「あ、あの、はい。食材がーー」
藍理「ん、了解。そっちから上がってきて。あーお前らこれついでに!飲み物もどうせたりてないだろ!」
他校男子「まじすか藍理さん〜〜、力仕事じゃないすか」
藍理「うるせえな〜笑」
他校男子「嘘です、やりますって!ください!」
他校男子「じゃあね、また話そ〜〜」
雫月「あっ、はい……」

〈親しそうに話しながら窓越しに飲み物が入った段ボールを渡す。二人は特に何も気にしていない様子で、段ボールを持ってBBQ会場へと戻っていった〉

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■Scene5:
同日夕方 ―ふたりきりの食堂

〈一瞬の静けさののち、藍理と視線が合う。すぐにそらされて微妙な雰囲気に〉

藍理「早く上がれば?何が足りないって〜?」

〈宿舎の食堂で、慣れたように冷蔵庫を開く藍理を追って、食堂へ上がる。食堂には藍理以外誰もいないようだった〉

雫月(……なんか、雰囲気違う?)

〈雫月は様子を伺うように後を追って冷蔵庫の近くへと進む〉

雫月「えと、お肉と、野菜と、あと、、」
藍理「了解。一旦満遍なく持ってくかぁ」

〈適当に冷蔵庫から出す様子を見つめ、覚悟を決めたように口を開いた〉

雫月「あの、藍理さん!わたし、今日のダンス……本当に楽しかったんです……!怖くなかった、ちゃんと踊れて……」

〈ダンスが終わった余韻の瞬間を思い出す。じわじわと滲む汗。大きくなる鼓動。その苦しさが達成感のように身体中に染み渡って、独特な震えがあった。気付いたら涙が浮かんで、咄嗟に走り去ってしまった様子〉

藍理「……見てたよ。頑張ったな。ーーもう、大丈夫だな」

〈藍理の表情は、思っていたよりもずっと冷静で、仮面の笑顔。満面の笑顔で喜んでくれる、褒めてくれるのを想像していた雫月は、突き放されたような気持ちになる。笑顔がしぼみ、曖昧に俯いてしまう〉

雫月「あの……はい……。嬉しくて……」

〈すれ違いの気まずい空気が残る中、藍理は視線を逸らし、食材を全て持つ〉

藍理「よし、行くか」
雫月「はい……」

〈嬉しさが完全にしぼみ、寂しくなってしまう雫月の表情。その表情のまま後を追いかける。集団にすぐに馴染み笑い合う藍理はいつも通りの輝かしい藍理さんで悲しくなる〉

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■Scene6:
同日夜 ―海辺。みんなで花火

〈BBQが終わり、暗くなった海で花火が始まる。わいわいと盛り上がるみんなを片目に、手持ち花火をしながらぼーっとしている雫月。おとなしい雫月に、千夏と花梨がヒソヒソと相談をする様子〉

莉子「なーにしっぽりやってんの1年生が!ほら!」
千夏&花梨「きゃああ!!」

〈ねずみ花火に火をつけて投げる莉子。千夏と花梨がめざとく悲鳴をあげて逃げるのに対し、雫月は気付いていない様子でその場に止まる〉

莉子「えっ、あぶな!」
雫月「……へ?あっ、わわ!!」

〈足のギリギリまできた花火に驚いて尻餅をついた雫月。運良く花火はそのまま別方向に飛んでいき、雫月は目をぱちぱちさせながら驚いている〉

莉子「えー!!ちゃんと避けてよ焦った!」
先輩「あんたは、急に投げたんだから謝れ」
莉子「確かに。ほんとごめん!大丈夫だった!?」
雫月「大丈夫です大丈夫です!ぼーっとしてたの私だから、あはは」

〈笑いながら立ち上がる雫月を、みんなが心配そうに見つめる〉

千夏「あのさ、雫月ーー」

〈迷った様子だった千夏が口を開く。「なにかあった?」と聞きたかった〉

七海「ごめん、雫月ちゃん、借りてもいい?」

〈重ねるように、七海が現れて雫月と視線が合う。その手には花火が握られていて、一緒にやろうと誘われているのは明らかだった〉

莉子「……え?朔ー!そういうこと?」
先輩「わ、この子達確かに、まじ?お似合いって噂されてたじゃんっ♡」

〈こそこそと話しながら少しずつ離れていく先輩ふたり〉

雫月「え?あ、はい。なにかありました?」

〈何も察してない様子の雫月は平然と立ち上がる。千夏と花梨は、驚いた様子でその場を見つめ続ける〉

七海「うん、ちょっと。ごめんね、ちゃんと送り届けるから」
千夏「は、はい!」
花梨「よろしくお願いします!」

〈優しくて愛嬌があって人気のあるイケメン七海に、話しかけられて結局千夏も花梨もそう頷くしかない〉

〈ふたりで歩いていく後ろ姿をしばらく見つめる〉

千夏&花梨「夏合宿、やばいね!?」

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■Scene7:
同日夜 ―砂浜の端。海からは少し離れたベンチ。

〈雫月の足元。歩きながら物思い〉

雫月(藍理さんの言葉に距離を感じた。すごく突き放されたように感じたのはどうしてだったんだろう。嬉しかったのに、応援してくれてると思って、伝えたいって思ってたのに、迷惑だったのかな)

七海「……ちゃん?」

〈雫月目線で、視線をあげ、少し前で振り返る七海をうつす〉

雫月「……え、あはい!」

〈七海の苦笑い〉

七海「どうでした?初めての夏合宿は」

〈集団から少し外れた場所にあるベンチで、横に座るように促す。遠目に見える花火の明かりを見ながら、手持ち花火が手渡される〉

雫月「刺激的でした。自分のダンスを見返せたし、まだまだ努力したいなって思えて、楽しかったです」
七海「はは、真面目な回答」
雫月「や、でも本当に。特に七海さんはすごかった。本当に感謝してます」

〈七海は驚いたように目を丸くしてから視線を逸らす〉

七海「まって、結構嬉しいかも、ちょっと見ないで」
雫月「えっ、あ、はい……」

〈律儀に花火を見つめる雫月。その手が横から伸びてきた手に包まれる。暖かい感触に驚いて顔をあげると、真剣な顔をした七海〉

七海「まーた、なんか悩んでるでしょ」
雫月「……えっ!?」
七海「元気ないから」

〈雫月は、ぽつぽつと今日あったこと(藍理が冷たく感じたこと)を話す〉

雫月「付き合いたいなんて、思っているつもりはなかったけど、やっぱりどこか悲しくて……」
七海「忘れたい?」
雫月「……苦しくなくなるのなら、そうしたいです」

〈泣きそうな顔で笑う雫月に、七海の手に力がこもる〉

七海「うん、やっぱり決めた」
雫月「へ?」
七海「俺、実は雫月ちゃんに惹かれてた。ダンスだけじゃなくて、考え方とか努力する姿とか、どれも尊敬できて、心から素敵だと思ってる」
雫月「え…っ?」

〈本当に驚いたように動きをとめて、七海を見つめる雫月に、七海は苦笑いをこぼす〉

七海「俺、負ける気しないんだ。俺なら絶対、雫月ちゃんを不安にさせない。まっすぐに雫月ちゃんだけを見続けるよ。忘れたいなら、俺で、上書きさせてよ」
雫月「……えっ」

〈驚きで何も言えない雫月に、七海は余裕の微笑みを見せる〉

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■Scene 8:
帰る日当日早朝 ―海辺、海に延びる堤防の先。

〈翌朝。全く寝れなくて、静かに海辺に一人でてきた雫月〉

雫月(……寝れるはずないよ)

〈ほんの少し回想:固まっている雫月に「難しく考えなくていいから、これからもたまに遊んでよ。これ、俺の連絡先」と爽やかに言って送り届けてくれた七海。終始七海のペースに飲まれていた〉

〈堤防の端に足を放り出して座り、合宿を思い返す。〉

雫月(……藍理さんへの気持ちは、確かに忘れられるのなら忘れたほうがいいのは間違いないんだよね)

雫月(でも、だからといって七海さんに行くなんて不誠実だ。上書きなんて、失礼だよ)

〈ときめいてしまった自分を思い返し、首を振る〉

〈すっきりしない気持ちを振り切るように立ち上がって、体を動かし始める。誰も見ていない海の空間は自分の感情を自由にさせていた。リズムにのめり込み、風を切る動きに、感情が宿る〉

〈夢中になるあまり、足を踏み外して、落ちそうになる〉

雫月「あっ」
藍理「ばか!」

〈ぐっと手を引かれて倒れ込む。コンクリートに私を抱え込むようにして尻餅をついた藍理がいた〉

雫月「……へ?」
藍理「……はぁ、お前バカだろ!危ないって何回言っても止まんねーし!言った側から落ちそうになってるし!」

〈ため息をついた後すごい勢いで起こる藍理に、雫月は目をまんまるにする。少しずつ状況を把握し、雫月は慌てて謝る〉

雫月「え、あ、私……ごめんっ、なさいっ」
雫月(昨日も冷たかったのに……。また迷惑かけちゃった)

〈雫月がみるみるうちに目を潤ませて、藍理は焦る〉

藍理「あーもう、なんで泣くんだよ」
雫月「ちが、ごめんなさいっ……」
雫月(とりあえず離れなきゃ)

〈顔を隠し、立ちあがろうとする雫月を、藍理が抱き寄せる〉

藍理「ごめんって、泣くな……」

〈以前の柔らかな抱擁とは違い、ぎゅっと不安そうに込められる腕。雫月は、涙が止まってしまうほど驚いている〉

藍理(こんなにも、心配で大切で、涙が見たくない……。多分じゃない、自分の感情がコントロールできないほど、本気で好きなんだ……)

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(第7話終了)
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