酒好きがバレて追放された元聖女ですが、不眠症の辺境伯様と【秘密の晩酌】はじめました 〜昼は冷徹、夜は甘々。ほろ酔い旦那様の執着愛が止まりません〜
10 背負われて幻の水源へ……瘴気が溜まっていたけれど、聖女パワーで浄化してBBQを楽しみました
ザッ、ザッ、ザッ。
白銀の世界に、足音が響く。
ただし、私の足音ではない。
「……あの、フロスティ様? 流石に過保護すぎません?」
「黙って乗っていろ。雪が深い。君の短い足では埋まってしまう」
「短いって言いました!? これでも平均的レディの脚長はあるんですけど!」
私は今、辺境伯様の背中に背負われていた。
いわゆる、おんぶだ。
私の視界は高いし、足は冷たくないし、フロスティ様にくっついているのでポカポカだ。
まさにVIP待遇。
けれど、絵面としてはどうなんだろう。
いい歳した元聖女が、イケメン辺境伯におんぶされて雪山登山なんて。
「降りなくていいんですか? 私、こう見えても体力には自信が……」
「ダメだ。転んで怪我でもされたら、誰が私の晩酌のつまみを作るんだ」
もっともらしい理由をつけているが、彼の手は私の太ももをガッチリとホールドして離さない。
ちょっと、いや、かなり……はずかしい……。
食べすぎて、若干、その……適度に柔らかさを増している気もするし?
今日の目的地は、領地の奥深くにある幻の水源だ。
なぜそんな場所に向かっているのか。
理由は一つ。
――究極の蒸留酒を作るため!
ジン、ウォッカ、ウイスキー。
これらを作るには、不純物のない、クリスタルのように澄んだ水が不可欠なのだ。
シードルやワインもいいけれど、そろそろガツンとくる強いお酒が飲みたい。
その一心で、私は渋る旦那様を説得し、この雪山ツアーへと連れ出したのだった。
「もう少しだ。しっかり捕まっていろ」
フロスティ様が魔法を使う。
彼の歩く先々で、深い雪がモーゼの海割りのように左右に退いていく。
相変わらずのチート魔法だ。
除雪車がいらないなんて、雪国最強の領主様である。
私は彼の首に腕を回し、その広い背中に頬を寄せた。
銀髪から、冬の空気のような冷たくて澄んだ香りがする。
(……ま、楽ちんだからいっか)
私は遠慮なく、彼の背中でくつろぐことにした。
白銀の世界に、足音が響く。
ただし、私の足音ではない。
「……あの、フロスティ様? 流石に過保護すぎません?」
「黙って乗っていろ。雪が深い。君の短い足では埋まってしまう」
「短いって言いました!? これでも平均的レディの脚長はあるんですけど!」
私は今、辺境伯様の背中に背負われていた。
いわゆる、おんぶだ。
私の視界は高いし、足は冷たくないし、フロスティ様にくっついているのでポカポカだ。
まさにVIP待遇。
けれど、絵面としてはどうなんだろう。
いい歳した元聖女が、イケメン辺境伯におんぶされて雪山登山なんて。
「降りなくていいんですか? 私、こう見えても体力には自信が……」
「ダメだ。転んで怪我でもされたら、誰が私の晩酌のつまみを作るんだ」
もっともらしい理由をつけているが、彼の手は私の太ももをガッチリとホールドして離さない。
ちょっと、いや、かなり……はずかしい……。
食べすぎて、若干、その……適度に柔らかさを増している気もするし?
今日の目的地は、領地の奥深くにある幻の水源だ。
なぜそんな場所に向かっているのか。
理由は一つ。
――究極の蒸留酒を作るため!
ジン、ウォッカ、ウイスキー。
これらを作るには、不純物のない、クリスタルのように澄んだ水が不可欠なのだ。
シードルやワインもいいけれど、そろそろガツンとくる強いお酒が飲みたい。
その一心で、私は渋る旦那様を説得し、この雪山ツアーへと連れ出したのだった。
「もう少しだ。しっかり捕まっていろ」
フロスティ様が魔法を使う。
彼の歩く先々で、深い雪がモーゼの海割りのように左右に退いていく。
相変わらずのチート魔法だ。
除雪車がいらないなんて、雪国最強の領主様である。
私は彼の首に腕を回し、その広い背中に頬を寄せた。
銀髪から、冬の空気のような冷たくて澄んだ香りがする。
(……ま、楽ちんだからいっか)
私は遠慮なく、彼の背中でくつろぐことにした。