酒好きがバレて追放された元聖女ですが、不眠症の辺境伯様と【秘密の晩酌】はじめました 〜昼は冷徹、夜は甘々。ほろ酔い旦那様の執着愛が止まりません〜
綺麗な水のほとりで、河原BBQの開始だ。
石を積んでかまどを作り、炭火をおこす。
本日のメニューは、ワイルドさが売りの一品。
タッパーから取り出したのは、串に刺さったお肉たちだ。
羊肉を一口大に切り、特製のタレに一晩漬け込んでおいたもの。
タレの中身は、おろし玉ねぎ、ニンニク、ヨーグルト。
そして、たっぷりのスパイス。
クミン、コリアンダー、パプリカパウダー、そして黒胡椒。
これを炭火の上に並べる。
ジュゥウウウウウッ!!
たちまち、食欲中枢を直接殴りつけるような香りが立ち上った。
羊肉の独特な香りと、クミンのスパイシーな刺激臭。
それが炭火で焼ける香ばしさと混ざり合う。
「……いい匂いだ。これは、羊か?」
フロスティ様が鼻をひくつかせた。
「はい。『羊肉のスパイシー串焼き』、別名シシカバブ風です!」
私は串をくるりと回す。
肉から滲み出た脂が炭に落ち、ジュッと煙が上がる。
その煙で燻されることで、さらに風味がアップするのだ。
表面がこんがりと焦げ、脂がパチパチと弾ける。
「さあ、焼けましたよ!」
私は熱々の串を彼に渡した。
フロスティ様は、串ごとガブリとかぶりついた。
ブチッ。
ジュワワッ……。
噛みちぎる音。
「……っ!!」
彼の目がカッと見開かれる。
表面はカリッと香ばしく、中は驚くほどジューシー。
玉ねぎとヨーグルトの酵素で柔らかくなった羊肉から、濃厚な旨味があふれ出す。
羊の脂の甘みを、クミンのエキゾチックな香りがキリッと引き締める。
「辛い……いや、美味い! なんだこの香りは……鼻から抜ける匂いだけで酒が飲めそうだ」
「でしょう? これが野外料理の醍醐味です!」
私も串にかぶりつく。
はふっ、あちちっ!
ん〜っ、最高!
口の中がスパイスと脂で満たされたところに、湧き水で作った水割りを流し込む。
冷たい水が脂をさっぱりと流し、スパイスの余韻だけを残す。
すると、また肉が欲しくなる。
肉、酒、肉、酒。
青空の下、綺麗な水のそばで食べる肉は、城で食べるどんな高級料理よりも美味しかった。
「君のつくる食事は……どこで食べても美味しいんだな」
フロスティ様は口の端にタレをつけたまま、少年のような笑顔を見せた。
いつも眉間にシワを寄せている彼が、こんな風に笑うなんて。
それだけで、ここに来た甲斐があったというものだ。
石を積んでかまどを作り、炭火をおこす。
本日のメニューは、ワイルドさが売りの一品。
タッパーから取り出したのは、串に刺さったお肉たちだ。
羊肉を一口大に切り、特製のタレに一晩漬け込んでおいたもの。
タレの中身は、おろし玉ねぎ、ニンニク、ヨーグルト。
そして、たっぷりのスパイス。
クミン、コリアンダー、パプリカパウダー、そして黒胡椒。
これを炭火の上に並べる。
ジュゥウウウウウッ!!
たちまち、食欲中枢を直接殴りつけるような香りが立ち上った。
羊肉の独特な香りと、クミンのスパイシーな刺激臭。
それが炭火で焼ける香ばしさと混ざり合う。
「……いい匂いだ。これは、羊か?」
フロスティ様が鼻をひくつかせた。
「はい。『羊肉のスパイシー串焼き』、別名シシカバブ風です!」
私は串をくるりと回す。
肉から滲み出た脂が炭に落ち、ジュッと煙が上がる。
その煙で燻されることで、さらに風味がアップするのだ。
表面がこんがりと焦げ、脂がパチパチと弾ける。
「さあ、焼けましたよ!」
私は熱々の串を彼に渡した。
フロスティ様は、串ごとガブリとかぶりついた。
ブチッ。
ジュワワッ……。
噛みちぎる音。
「……っ!!」
彼の目がカッと見開かれる。
表面はカリッと香ばしく、中は驚くほどジューシー。
玉ねぎとヨーグルトの酵素で柔らかくなった羊肉から、濃厚な旨味があふれ出す。
羊の脂の甘みを、クミンのエキゾチックな香りがキリッと引き締める。
「辛い……いや、美味い! なんだこの香りは……鼻から抜ける匂いだけで酒が飲めそうだ」
「でしょう? これが野外料理の醍醐味です!」
私も串にかぶりつく。
はふっ、あちちっ!
ん〜っ、最高!
口の中がスパイスと脂で満たされたところに、湧き水で作った水割りを流し込む。
冷たい水が脂をさっぱりと流し、スパイスの余韻だけを残す。
すると、また肉が欲しくなる。
肉、酒、肉、酒。
青空の下、綺麗な水のそばで食べる肉は、城で食べるどんな高級料理よりも美味しかった。
「君のつくる食事は……どこで食べても美味しいんだな」
フロスティ様は口の端にタレをつけたまま、少年のような笑顔を見せた。
いつも眉間にシワを寄せている彼が、こんな風に笑うなんて。
それだけで、ここに来た甲斐があったというものだ。