キミと、世界の果てまで。
しばらく追いかけていると、突然ブラックホールの発生が途絶えた。
今までは、消えてもまた何処かで復活するという事が多かったのに、今回は何かが違う。
これで終わりだとか、そういう馬鹿げた話は絶対にない。
気味が悪いと感じるくらいに、辺りは静寂に包まれている。
身体を屈ませてハアハアと息を整えながら、顔だけを真正面に向けた時、身体中に電流が走るような、そんな感覚に襲われた。
「此処って…」
見覚えがある風景。
急いで屈んでいた身体を起こすと、無意識にクロスを握る力が強くなった。
―――何故なら、あたしが今立っているブラックホールが消えた場所は、誰でも無い、寛司の家の前なのだから。
途端に、夢の中でクロスが発していた言葉が、頭の中にポツリと浮かんだ。
―――「オキヌマカンジには、気をつけろ」―――
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