キミと、世界の果てまで。



しばらく追いかけていると、突然ブラックホールの発生が途絶えた。


今までは、消えてもまた何処かで復活するという事が多かったのに、今回は何かが違う。



これで終わりだとか、そういう馬鹿げた話は絶対にない。



気味が悪いと感じるくらいに、辺りは静寂に包まれている。


身体を屈ませてハアハアと息を整えながら、顔だけを真正面に向けた時、身体中に電流が走るような、そんな感覚に襲われた。




「此処って…」




見覚えがある風景。


急いで屈んでいた身体を起こすと、無意識にクロスを握る力が強くなった。



―――何故なら、あたしが今立っているブラックホールが消えた場所は、誰でも無い、寛司の家の前なのだから。



途端に、夢の中でクロスが発していた言葉が、頭の中にポツリと浮かんだ。




―――「オキヌマカンジには、気をつけろ」―――




.
< 236 / 312 >

この作品をシェア

pagetop