キミと、世界の果てまで。
身体の震えが、止まらなかった。
よく考えると、ブラックホールが一番初めに出現したのは、紛れも無く寛司の部屋だった。
となると、ブラックホールの発生源が寛司の家ならば、収束の場所も、チャームの在り処も、全てが寛司の家の中って事…?
クロスの言葉が現実味を帯びてきて、少しだけ怖い。
寛司には、一体どんな秘密が隠されているのだろうか。
そうゴチャゴチャ頭の中で考えながらも、あたしの視線は真っ直ぐ寛司の家を向いている。
周りの建物やコンクリートの塀は、ブラックホールの脅威によって見るも無残な状況になっているのに、寛司の家だけかろうじて形が残っていた。
ガラスの破損はあるものの、家に進入するには充分過ぎる程だった。
「行きますか、クロス」
もう返事は無いけれど、クロスはきっと頷いてくれている。
レンと寛司を救う為に、チャームを集めて地球の寿命を永遠のモノとする為に、
あたしはその一歩を、ゆっくりと踏み出した。
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