キミと、世界の果てまで。
不気味な程静かで、あたしの足音しか響かない、寛司の家。
電線はブラックホールの仕業で切断されていたりする為、照明はまったく役に立たない。
太陽は沈み掛け、もうすぐ闇の世界―――夜がやってくる。
何としても、日が沈むまでにチャームと決着を付けたい。
そうして、町を元の状態に戻してあげなければ。
階段を上がったすぐ先に、寛司の部屋がある。あたしは丁寧に階段を上がると、寛司の部屋のドアノブに手を掛けた。
深く深呼吸をして、心身共に落ち着かせる。
「待ってて、みんな…!」
そんな決意と共に、一気に扉を開けると、そこには信じられない光景が広がっていた。
「何…コレ…」
手汗の量が尋常じゃなく、クロスを握る手がベタベタする。
寛司の部屋に、小さいサイズの無数のブラックホールが、あらゆる所に散らばっていたのだ。
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