キミと、世界の果てまで。



ベッドの上にも、丸テーブル付近にも、そしてあたしの目の前にも、数え切れない程のブラックホールが、寛司の部屋に散乱している。


推測だけど、あの巨大なブラックホールが分裂した結果が、今あたしの目の前にある光景だと考えられる。



サイズは小さくなっているけれど、引力や吸い込む風の強さは、巨大ブラックホールの時と大して変わらない。


これじゃ、チャームを封印する前に、あたし自身が飲み込まれてしまう可能性が大きい。



だけど、これだけは言える。

絶対に、この部屋の中にチャームがあるという事を。




「Crossing and defense!」




あたしはバリアを発動させると、ブラックホールが渦巻く世界へと身を投げ出した。


相変わらず身が引きちぎられそうな程の引力で、あたしはバリアを張っているにも関わらず、顔をしかめる。


それでも辛うじて前に進む事が出来ているのは、きっとクロスの力のお陰だ。



ブラックホールの内部へと足を踏み入れないようにしながら、あたしはある光景に目が釘付けとなった。




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