キミと、世界の果てまで。



不可解だ。


寛司は趣味で、たくさんのピアスを集めている。


それらのピアスが綺麗にディスプレイされている場所が、ベッドの横にある棚の一番上に確保されてあるのだが、


ブラックホールが部屋中を乱し、破壊しているのにも関わらず、そこのスペースだけがまったく被害を受けずに、部屋の惨事を静かに見守っているようだった。



もしかして…




「あそこにチャームが隠れてる…?」




こんな展開が待ち受けているのだろうか。


もしかして、クロスの寛司に気を付けろ発言も、寛司にチャームに関しての記憶があったのも、全て至近距離にチャームが存在していたから?



チャームがそんな効果をもたらすのかはイマイチ分からないけど、そうとしか考えられない。



吸い込まれるような感覚に耐えながらも、あたしはゆっくりとピアスの方へと近付いていった。



きっと、この中にチャームが潜んでいる。


そんな確信を持ちながら。




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