キミと、世界の果てまで。



寛司一家については、あたしも小さい頃からお世話になっているから、よく知っている。


おじさんは、明るくて周りを盛り上げる事の出来るムードメーカーで、おばさんは常に元気で、笑顔をくれる。


夫婦としての二人はあたしの憧れであり、その息子である寛司がとっても羨ましかった。



その二人が、チャームの災いの影響を受けている―――




「早く封印しないと…」




でも、どうやって?

苛立ちが募る一方、何も出来ない自分に嫌気がさしてくる。



こんな時、自由にクロスと会話が出来たら楽なんだけど、あたしからは呼び出す事は出来ない。


クロス自らがあたしの夢に侵入してこない限りは、会話する事は不可能に近いのだ。




「とりあえず、数日は様子を見るしかないな」



「そうだよな…レン、喧嘩で眠れないかもしれねぇけど、我慢してな」



「全然気にしてねぇから」




レンと寛司の話を耳にしながら、あたしは悔しさから来る感情に、顔を歪ませていた。




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