キミと、世界の果てまで。
全てが、夢のように思えてくる。
ただひたすらに死にたくないと願っていた自分の姿も、
恐怖に耐えていたあの時間も、
…あたしの目の前に、レンが現われた事も。
あの出来事は、あたしの願望が造り出した、希望の絵図だったのかもしれない。
レンなんて人は、端から存在しなかったんだ、きっと。
あたしは既に死んでいて、ただ都合の良い夢を見ていただけなんだ。
よく考えたら、あたし一人が地球に取り残されて恐怖と戦っていたなんて、おかしいにも程がある。
あたし以外の人も、動物も、建物も、何一つ残っていなかったのに、あたしだけが生き残っていて、挙句の果てには、レンという正体不明の人物に助けられて。
レンには銀色の翼が、黄金に輝くソードがあって、明らかに人間とは思えない特徴を持っていた。
ああ、くだらない。
あたしは夢に心を躍らされ、わずかな希望を持たされていたんだ。
とっくの昔に、死んでいたというのに。
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