キミと、世界の果てまで。
もう、逝こうか。
ずっと此処に居ても、埒が明かないから。
一度も動かさなかった右足を前に出すと、その動きを機に、身体をゆっくりと前に進めて行く。
あたしの向かう先に、きっとみんなが待っていてくれているハズだから。
お父さん
お母さん
朱里
そして、寛司が。
「待っててね、すぐに逝くから」
―――バイバイ、この世界よ。
ありがとう、この世界よ。
こんな状況でも、感謝の気持ちを忘れないあたしの性格に思わず笑みが漏れる。
信じられない程に爽やかな気持ちで、向こうの世界に向かおうとした時だった。
「待て、ミライ」
「え…?」
突然耳元に響いてきた声に、あたしは踏み出した足を急いで元に戻した。
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