キミと、世界の果てまで。



「大丈夫?寛司…」




そして、その決意を言葉だけにしないように、あたしはまず一歩を踏み出す。


だいぶ痛みが取れてきたのか、あたしが寛司に手を差し伸べると、少しぎこちなかったけれど、寛司はしっかりとあたしの手を取ってくれた。



あたしがレンにして貰ったように、今度はあたしが寛司にしてあげる番。


レンから教えて貰ったたくさんの事を、実行する番。




「みっともない所見せちまったな、二人共」



「ううん。おじさんはチャームに操られているだけだし、気にする事ないよ!だから、絶対にチャームを封印してみせるから」




あたしの言葉に、寛司は笑う。

寛司の笑みに、レンも笑う。

レンが笑うから、あたしは嬉しくなる。



自然と三人の手が集まり、あたしの手の上に寛司の手、寛司の手の上にレンの手が、ゆっくりと重なった。



そして、あたし達は前へと進みだす。




「最後まで全力で戦うよ、レンに寛司」



「勿論だ」



「ああ」




もう、振り向かない。

だってあたしには、こんなに素敵で頼れる仲間が居るんだから。




.
< 279 / 312 >

この作品をシェア

pagetop